食事や買物については、国ごとに平日・土日のサイクルが異なっている。これは宗教や文化の違いによるものである。

 グラフには、20年以上前の古いデータであるが、平日・土日別の食事時間、買物時間を成人男性、成人女性の別に示した。

 食事時間を見ると我が国では、一家が揃う日曜日の食事時間が長いので他の国もそうだろうと思っていると必ずしもそうではない。

 日本、韓国、米国の食事時間は、平日<土曜<日曜の順に長くなるが、カナダ、デンマーク、フィンランドでは、平日<日曜<土曜であり、平日と日曜の差より、土曜の長さが目立っている。

 なお、平日・土日にかかわりなく米国の食事時間が短のが目立っているが、この点については図録0210(図録 グルメ国ランキング〜食事時間の国際比較〜)参照。


 買物の時間は、さらに日本の特殊性が目立っている。いずれの国も土曜の買物時間は平日より長いが、日本だけが日曜の買物時間が最長であり、日本を除くと、総てで日曜の買物時間は平日を下回っている(韓国の成人男性のみ日本と同じ)。これは、欧米では、日曜日は商店が閉まっていることが多いからである。

 欧米では安息日や教会への日曜礼拝を重視するキリスト教文化が土日の行動パターンに大きな影響を与えていることがうかがえる。

 私の海外旅行の経験では、例えばドイツでは日曜日に営業しているデパートや外食店とかがなくて驚くが、こうした背景によるものであろう。また、フランスでは、料理店で夕食を食べようとすると夜遅くなってからでないと開店しないなどともかく時間に関しては融通がきかない(きかせない)のが欧米流の文化的特徴であると感じる。

 身の回りの用事時間は基本的に生理的な時間であるがその長短にはおしゃれ時間の差が反映していると見て、図録2329bにはおしゃれ国ランキングとして女性の身の回りの用事時間の国際比較を掲げたが、ここでは、関連して、下に同データの平日・土日別の時間を掲げた。


 デンマークとフィンランドでは土曜日に食事時間や買物時間が長いのと平行しておしゃれ時間も長くなっている。しかし、その他の国では、平日と土日の差はほとんど認められない。

(2019年10月12日収録)


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