データの出所はOECDのSociety at a Glanceである。 個人ケアの中身は睡眠や飲食、また入浴、トイレ、身じたく、化粧など身の回りの用事であるが、生活時間統計では通常は生理的時間として自由時間には分類されない。しかし、長いか短いかは自由時間的な要素によって左右されるので、ここでは、通常の自由時間と合計して広義の自由時間と定義されている。当図録でも、都道府県別の女性の身の回りの用事の長短をおしゃれ努力度と解してグラフにした(図録7320参照)。 さて、広義の自由時間において男性の方が長い国として目立っているのは、第1に、イタリア、2位以下で、メキシコ、ポーランド、韓国と続いている。狭義の自由時間については、男性の方が長いという傾向があるが、個人ケアについては、普通の国は、身支度やお化粧などのため、女性の方が長い。ところが、この4カ国は個人ケアにおいても男性の方が長いという点で目立っている。 こうした国は、女性から言わせれば、男性ばかりが惰眠をむさぼり、食事を楽しみ、おしゃれしたり、人と付き合い、遊び暮らしていて、けしからん国ということになる。 逆に自由時間の男女差がない国、あるいは女性の方が自由時間が長い国として目立っているのは、ノルウェー、スウェーデン、ニュージーランドといった国であり、こうした女性天国で妻となれればどんなに幸せかということになる。 さて、気になる我が日本の地位はというと、この指標で見る限り、決して、男性優位の国ではない。カナダ、ドイツと並んで女性天国に近い第2グループに属しているのである。日本の男性の家事時間が女性に比べて短い点が指摘されることが多いが男の長い仕事時間なども含めて計算するとこんな感じになるのであろう(図録2322参照)。 ここで、国際比較の対象となっている国は、18カ国。具体的には、男女差の小さな国から、ノルウェー、スウェーデン、ニュージーランド、カナダ、ドイツ、日本、オーストラリア、フィンランド、英国、米国、ベルギー、フランス、トルコ、スペイン、韓国、ポーランド、メキシコ、イタリアである。 (2009年6月4日収録、2010年7月22日グラフ(注)追加)
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