さらに、その下に、平均寿命の高い国のランキング表をつけた。ランキング表の対象国は、平均寿命の長い順に、日本、香港、スイス、イタリア、オーストラリア、シンガポール、スペイン、イスラエル、アイスランド、スウェーデン、フランス、ノルウェー、マルタ、カナダ、韓国、オランダ、ニュージーランド、英国、ギリシャ、オーストリア、アイルランド、ルクセンブルク、ドイツ、ベルギー、フィンランド、米国、中国である。 図を見れば、高所得ほど平均寿命が長く、低所得国ほど平均寿命が短いという一般傾向が認められる。 日本は男女計の82.9歳であり、世界1平均寿命が高い。また、日本に次ぐ他の先進国は団子状の分布を示しており、人口1億人の大国ながら、そこから少し上に抜け出ている点でも目立っている。このような分布図の中に位置づけると、日本は平均寿命の点では世界から尊敬を受けて然るべき地位にあるということが実感される。 日本の場合、男の平均寿命は79.6歳でスイス、香港、イスラエルに次ぐ世界第4位であり、女の平均寿命86.4歳は、男女計と同じく世界一である。日本の平均寿命の推移については図録1610参照。 他方、平均寿命が40歳代と非常に短い国がサハラ以南のアフリカに多く見られる。最下位はレソト、シエラレオネの47.4歳であり、中央アフリカの47.6歳がこれに続いている。 図では、上述の通り、平均寿命と経済発展度(所得水準)の相関をみることができるが、経済発展度が低い割に平均寿命の長い国と高い割に平均寿命の短い国があるという点も明確に分かる。 右上がりの傾向線より左上にある国、すなわちコスタリカ、キューバ、ベトナム、ニカラグアといった国は、経済発展度が低い割には平均寿命は長い。社会主義的政策をとる国が多くここに含まれる。平均寿命が1位の日本も所得水準では24位であり、また所得水準が91位の中国では平均寿命は81位であり、同様の特徴があるが、その程度は低く、むしろ後発資本主義国に近づいているともいえる。 右上がりの傾向線より右下にある国、すなわち所得水準の割には平均寿命の短い国としては、ルクセンブルク、米国、カタール、南ア(南アフリカ共和国)、ボツアナ、赤道ギニアなどがあげられる。産油国や資源国が多く含まれる。米国は、1人当たりの所得ではキューバの4.7倍の水準となっているが、平均寿命は78.2歳とキューバの79.0歳を下回っている。医療制度の問題、国内の貧富の格差の問題(図録4650参照)などが背景にあると考えられる。 なお、世界銀行の世界開発報告2006に、上図と同様のテーマの図が掲載されており、良くできた図なので、下に掲げておく。ヨコ軸が対数目盛でない点、国のプロットに人口規模が合わせ表現されている点に上図との違いがある。 更新前の2002年グラフと比較するとサハラ以南アフリカでも平均寿命30歳台の国がなくなった一方、欧米で平均寿命80歳台の国がかなり増加している。 (関連図録) 世界マップは図録1630参照。 平均寿命の男女格差、及び男女計・男女別平均寿命の原データは図録1670参照。 国内の平均寿命の不平等度の各国比較については図録1650参照。 戦前からの日本と米国の平均寿命の時系列推移については図録1600参照。 主要先進国の戦後の平均寿命の推移については図録1610参照。 (参考図) ![]() (2004年8月12日収録、データ修正、2006年3月10日参考図追加、2008年4月6日更新、2009年6月4日平均寿命ランキング表の第5位をオーストリアから正しいオーストラリアに訂正、2010年6月23日図中国名(フランス、ドイツ、英国、ガボン、ナミビア、赤道ギニア追加、2012年6月13日更新)
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