図録1550でも見た通り、実際に生む子どもの数である合計特殊出生率は2を大きく下回っているが、夫婦が描く理想の子ども数は2人以上であるとされる。理想の子ども数については社会保障・人口問題研究所が5年毎に行っている「出生動向基本調査(夫婦調査)」で調べられているので、その結果を図示した。 なお、同調査で理想の子ども数における男女構成の希望が「女の子」志向が優勢になってきている状況については図録2478参照。 理想の子ども数の平均の動きを見ると、1977年から1987年にかけては増加し2.67人のピークとなったが、その後、ほぼ一貫して減り続け、2021年には2.25人まで下がっている。 しかし、理想の子ども数はなお2人は上回っており、合計特殊出生率の低下は、夫婦が子どもを要らないと思うようになったというよりは、理想どおり生めないからという要因の方が大きいと考えられる。 具体的な子ども数としては、2人か3人が合わせて9割近くを占めている点には変わりがないが、一番多い理想の子ども数が、2010年を境に、3人以上から2人に変化し、2015年以降は2人が5割を越えていることが平均数の減少に大きく影響している。 なお、2021年には、0人(子どもはいらない)が4%を越え、1人が5%以上にまで増えている点も目立っているが、合わせて1割以下であり、理想の子ども数の減少は、主に、3人以上が減って2人が増えたためと考えられよう。なお、理想ではなく予定の子ども数の0人(子どもは持たない)も2021年には5.7%と無視できない値となっている。 こうした動きの結果、子どもをもたずに一生を終える女性の比率について日本は世界1高くなっている点については図録1541参照。 参考のため、下に理想の子ども数の推移を合計特殊出生率の推移と対比させた図を掲げた。 (2018年3月21日収録、2024年6月4日更新)
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