欲しい子どもの数(理想の子ども数)についての内閣府実施の国際比較調査の結果(2020年)を掲げた。

 社人研調査の日本における理想の子ども数の推移については図録1551参照。

 対象国は日本の他、フランス、スウェーデン、ドイツの計4カ国であり、ドイツを除いては2010年、2015年からの推移も掲げた。

 いずれの国、いずれの年次でも、欲しい子どもの数は2人がもっとも多く、3人以上がこれに次いで多くなっている(ただしドイツの2020年は1人が2位)。

 実際の子ども数(合計特殊出生率)では、日本が最も少ないが(図録1550参照)、理想の子ども数の平均人数は、日本、フランス、スウェーデン、ドイツの2020年の値は、それぞれ、2.1人、1.7人、1.8人、2.0人と余り変わりがなく、日本が最も多くなっているのは皮肉な結果である。理想と現実のギャップが最も大きいのは日本だと言える。

子ども数の理想と現実
合計特殊出生率 理想の子ども数 ギャップ
日本 1.26(2022年) 2.1人 0.84
フランス 1.84(2021年) 1.7人 0.14
スウェーデン 1.67(2021年) 1.8人 0.13
ドイツ 1.58(2021年) 2.0人 0.42

 上に合計特殊出生率と理想の子ども数とその差(ギャップ)を表にした。日本ほどではないがギャップが大きいのはドイツであり、フランス、スウェーデンはギャップが小さい。

 日本、フランス、スウェーデンの理想の子ども数の2010年からの推移を見ると、平均人数が縮小傾向にあると同時に、0人(子どもはいらない)の比率がいずれの国でも大きくなっていることが分かる。すなわち、少子化の傾向と子どもをもうけない傾向が各国で見られる。

 特に日本は2015年から2020年にかけて0人比率が2.9%から8.7%へと3倍近く拡大しているのが目立っている。理想と現実とのギャップについて理想の方を現実に近づけている結果だと思われる。出来ないことをいつまでも期待し続けることはできないのが人情なのだろう。

 参考までに韓国、英国、米国のデータを含んでいた更新前の旧図録を以下に掲げておいた。


(2018年3月21日収録、2024年6月4日更新、コメント大きく刷新) 


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