グラフには2時点の上位15カ国別の出身地別人口とそのうち新しい年の出身地別の女性人口比率を掲げた。 各国の移民の状況は以下の通りである。 各国の移民の状況
(注)「2010年12月11日夕、スウェーデンの首都ストックホルムの歩行者天国で、イスラム教徒の男による自爆テロが起きた。男は10歳で「難民」としてスウェーデンに移住したイラク系スウェーデン人、タイムル・アブダリ容疑者(28)。バグダッド生まれのアブダリ容疑者は湾岸戦争直後の92年、家族と共にスウェーデンに移り、高校卒業まで南部の町トラノスで暮らした。01年の高校卒業後、英国南部ルートンのベッドフォードシャー大学でスポーツ医学を学ぶ傍ら、ルーマニア出身の女性と結婚し2女1男をもうけた。大学時代を過ごした英国で過激思想に染まっていった。自爆直前、地元通信社などに犯行声明を送りつけ、かつてスウェーデン紙に掲載されたイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画や同国からのアフガニスタン派兵を批判している。移民を積極的に受け入れ寛容な社会として知られる北欧が、イスラム過激派の自爆攻撃を受けたのは初めて。「ホームグロウン・テロ」と呼ばれる脅威が拡大していることを示した事件として注目された。」(毎日新聞2010年12月30日からの引用文。文章の順序は入れ替え)
まとめると、東欧からのEU内での流動が増えているとともに、旧植民地途上国からの移民も増大していることが分かる。2010年12月18日に始まったチュニジアのジャスミン革命からいわゆる「アラブの春」という民主化運動がアラブ世界に波及したが、2012年からは国内対立が深まり、その後のISの台頭や国内紛争の激化で中東・北アフリカから欧州への難民・移民の流れが強まっている。ここで見た2013年までのデータではまだこの動きが大きく反映されるには至っていないと考えられる。
各国の出身地別の最大移民勢力を整理すると以下である。ドイツとオランダがトルコ人が共通なのを除くと各国の最大勢力は総て異なっている点が目立っている。ルーマニア人はイタリアでは最大勢力、スペインでは第2勢力となっているがそのうちにはロマ(ジプシー)も含まれていると考えられる(図録8596参照)。
(2011年1月11日収録、2015年10月26日更新)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|