そこでこの点をOECDのPISA調査で確認してみよう。 OECD諸国平均でいじめにあっている非移民の生徒割合は23.1%であるが、外国生まれの移民1世の場合は26.5%とそれより高くなっており、いじめにあいやすいことが分かる。 ただし、親が移民の移民2世の生徒では22.2%とむしろ非移民生徒より低くなっており、時間の経過でいじめにあいにくくなるようだ。個人的に耐性ができたり、移民先の生活習慣に同化するようになるためなのか、移民生徒のグループができ、非移民生徒から防衛するようになるからなのかは分からない。 個別の国によっては状況が異なる場合がある。移民1世も2世も非移民生徒よりいじめにあいにくいカナダ、米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドといった国もある。こうした国はいずれも英語圏の国である。また、非移民のいじめ水準そのものが高いと言う特徴もある。 このほか、移民生徒の方がいじめにあいやすく、しかも移民2世の方が1世よりもっといじめにあいやすい国として、リトアニア、トルコ、チェコが目立っている。 取り上げた国は24カ国であり、具体的には、図の左から、オランダ、ポルトガル、ルクセンブルク、スペイン、アイスランド、フィンランド、ベルギー、クロアチア、フランス、ノルウェー、スウェーデン、スロベニア、スイス、デンマーク、オーストリア、ドイツ、リトアニア、アイルランド、ハンガリー、イタリア、チリ、トルコ、コスタリカ、エストニア、カナダ、ギリシャ、米国、スロバキア、英国、チェコ、マルタ、オーストラリア、ニュージーランド、ラトビアである。 (2024年11月5日収録)
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