2月14日に内閣府が10〜12月期のGDP1次速報値を発表し、それとともに2010暦年のGDPも発表した。日本の名目GDPはドル換算で5兆4742億ドルとなり、中国の5兆8786億ドルを下回ったことが確認された(東京新聞2011.2.14夕刊)。かくして、日本は1968年から占めてきた「世界第2の経済大国」の座を中国に明け渡した。 図には今回確実になった日本と中国の2010年のGDPをIMFの近年の実績および2015年までの予測のデータに重ね合わせたグラフを掲げた。中国は2007年にドイツを抜いて世界第3位となってから3年目にして日本を追い抜いたことになる。テレビで見る中国国家統計局の今回データの発表者の顔は笑顔であった。日本が世界第2位となったときの誇らしい気分と同様の気分でいるだろう。 長い目で見ると日本が中国に抜かれたということより、極東に世界第2位と第3位の国が隣接して誕生したということの方が大きいであろう。さらに韓国も経済成長率がかなり高いと予測されるので、東アジア経済圏は確実に世界の中で中心的な役割を占めるようになってくると見込まれる(下表参照。視覚的には図録4560も参照)。 今後5年間(2010〜2015年)の 経済規模の拡大倍率予測
なお、中国のGDP規模の大きさは人口の大きさにもよっている。中国の1人当たりGDPの水準は、なお、日本の10分の1である(図録4540)。 当図録収録後の日本、米国、中国、EUの名目GDPの推移については図録4555参照。 (2011年1月21日収録、1月22日韓国データ追加、2月15日更新)
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