世界価値観調査は、世界数十カ国の大学・研究機関の研究グループが参加し、共通の調査票で各国国民の意識を調べ相互に比較している国際調査であり、1981年から、また1990年からは5年ごとの周回で行われている。各国毎に全国の18歳以上の男女1,000〜2,000サンプル程度の回収を基本とした個人単位の意識調査である。なお、ここで取り上げている2010年期は2010〜2014年の調査であるが、英国、フランスなどこれまでの常連国が含まれていない。これは、世界価値観調査と同じ調査票で実施されている欧州価値観調査が直近の2008〜09年に実施済だからと考えられる。そこで、今回は、欧州価値観調査2008〜09年の結果から6カ国を繰り入れてデータを掲げることとした。 この調査の結果から、「〜人であることの誇り」を「非常に感じる」と「感じる」の合計(以下、感じている人の比率とする)の大きな順に並べたグラフを掲げた。 対象58カ国中、42カ国は、自国民としての誇りを感じている人が90%以上となっている。第1位は、カタールであり、ウズベキスタン、ルワンダ、ガーナ、ヨルダン、エクアドル、フィリピンと続いている。途上国、イスラム国などで誇りを感じている人が多いという結果になっている。 主要国の中では、米国で、自国民としての誇りを感じている人が、91.4%と最も多い点が目立っている。ロシア、ドイツは80%前後と少ない。 日本は、さらに、自国民としての誇りを感じている人が少なく、71.6%とかろうじて7割を上回る程度である。自国民としての誇りを感じる人が少ない国には、台湾、ウクライナ、エストニアなど特殊な状況におかれた国が目立っている。 主要先進国であるG7諸国について値の大きな順に並べると以下である。 @米国 91.4% A英国 91.2% Bフランス 90.9% Cイタリア 87.4% Dドイツ 79.1% E日本 71.6% 米英と比較して、ドイツ、日本、特に日本の値は低くなっている。 なお、日本の結果を時系列や性・年齢別に掲げた図録9466を参照のこと。ただし、こちらは「わからない」などを含んでいるのでこの図録とは数字が必ずしも一致していない点には留意されたい。 対象となった国は58カ国であり、「非常に感じる」と「感じる」の合計の高い順に、カタール、ウズベキスタン、ルワンダ、ガーナ、ヨルダン、エクアドル、フィリピン、トリニダードトバゴ、トルコ、クウェート、コロンビア、アルメニア、パレスチナ、マレーシア、ニュージーランド、エジプト、イエメン、ポーランド、ジンバブエ、キルギス、オーストラリア、パキスタン、アルジェリア、メキシコ、リビア、カザフスタン、チュニジア、チリ、ウルグアイ、ペルー、ナイジェリア、フィンランド、アイスランド、アゼルバイジャン、モロッコ、スペイン、米国、英国、キプロス、フランス、韓国、イラク、中国、シンガポール、スロベニア、スウェーデン、ベルギー、イタリア、オランダ、ルーマニア、ベラルーシ、レバノン、ロシア、ドイツ、エストニア、日本、ウクライナ、台湾である。 (2006年11月21日収録、2014年5月26日更新、2017年1月21日グラフの国名のあとに「非常に+かなり感じる」の値を追加)
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