世界数十カ国の大学・研究機関の研究グループが参加し、共通の調査票で各国国民の意識を調べ相互に比較する「世界価値観調査」が1981年から、また1990年からはほぼ5年ごとに行われている(最新は7年以上遅くなったが)。各国毎に全国の18歳以上の男女1,000サンプル程度の回収を基本とした個人単位の意識調査である。

 自国民としての誇りをどの程度感じているかの国際比較については、図録9465で示した。日本人の場合は世界最低レベルであった。ここでは日本の時系列変化と最新年の男女年齢別の結果をグラフにした。

 時系列では、日本人であることの「誇りを感じる」者は、1981年の60.4%から2000年の54.7%へと減少したが、その後、増加を続け、2019年には77.6%とかなり多くなった。日本人が近年自信を回復している状況は図録2395にもうかがえるところである。

 男女・年齢別では、2019年では、男女が、若年層(29歳以下)で60%台、中年層(30〜40歳代)で70%台なのに対して高年層(50歳以上)ではほぼ80%以上と誇りの感覚が強くなっているのが特徴である。

 2005年から2019年にかけての日本人としての誇りの回復を男女・年齢別に見てみると、いずれの層でも上昇傾向にあるが、2005年には男より低かった女の値が2010年にはすべての年齢で男を上回るようになったのが目立っている。2019年でも若年層(29歳以下)を除いてやはり女の値の方が高い。そもそも、最近は男性の方が何事も女性より自信がないことが多いという傾向がここでも現れたに過ぎないのであろう。

(2006年11月27日収録、2014年5月26日更新、2022年3月13日)


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