血液型性格占い(血液型性格判断)が普及してから長い時間がたった。国別・人種別の血液型シェアのデータを見つけたのでグラフにした。資料は「カラー生物百科」平凡社(1975年)、古畑種基「血液型の話」岩波新書(1962年)、および米国赤十字HP(2013年)である。

 対象となっているのは、26の国と人種、内訳は米国インディアン、ケニア・キクユ族、米国ヒスパニック系、エスキモー、オーストラリア、スコットランド、米国黒人2(別資料)、英国、イタリア、中国、米国白人、米国非ヒスパニック系白人、米国アジア系、パプア、ペルシア、米国黒人、フランス、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、ポーランド、日本、ロシア、インド人、ジプシー、アイヌである。血液型の世界分布図は図録9452参照。

 このうち、O型優勢の国・人種が15で最も多く、A型優勢の8でややこれより少なくなっている。B型優勢は3と少ない。図の国・人種は、それぞれ優勢な血液型の多い順に並べてある。

 血液型性格占い自体、どのような科学的根拠をもつか分からないが何となく当てはまるといった印象批評的なものなので以下のコメントも暇つぶし的な論議ととってもらいたい。

 O型優勢の中では、米国インディアンが最もO型シェアが高く(7割以上)、ケニアの支配部族であるキクユ族が約6割で続いている。以前読んだ「世界の民族」(平凡社の翻訳物)というシリーズでは、このキクユ族の性格として、事の軽重を問わずともかく理論好き、私の印象では古代ギリシャ人のような民族であると思った((下注)参照)。O型の私もなんとなく親近感をもつ。

 この他、中国人もA型優位であるが、B型も25.0%であり、B型優勢の3つの国・人種をに次ぐ高いシェアである。我が道をいくというB型の性格から何となく、なるほどと思える。

 米国黒人については「A型的性格が最も強いのが米国黒人であり、A型が何と8割以上となっている。私は以前から同じ米国人でも黒人は、白人と異なって、エキセントリックなところがなく、バランスのとれた思いやりのあるやさしい人達ではないかと感じていたが、A型が非常に多いと知って、なるほどと思った」と2013年までは書いていたのであるが、献血事業を行っている米国赤十字のHPに記載された米国の民族・人種別の血液型分布によれば、米国黒人2(=アフリカ系米国人)のA型は26%と「カラー生物百科」のデータとはまるで異なっている。多分、こちらのデータの方が正しい気がする。

 日本人は一応A型優位だが、O型もB型もかなりおり、よくいえば多様・多彩、悪く言えば性格のはっきりしない民族であるともいえよう。

 B型優位の民族としては、インド人、ジプシー(ロマ)、アイヌがあげられている。血液型占いではマイペースな人々となろう。ジプシー(ロマ)はインドから移動していった種族といわれるが、これを見るとなるほどと思える。

 なお、都道府県別の血液型分布を図録7308に掲げたので参照されたい。

(注)L.S.B.リーキー(1973)「キクユ族」(E.エバンス・プリチャード監修『世界の民族〈第2巻〉熱帯アフリカ』平凡社)によると、キクユ族は「論理的推論に傾倒している...宣教師達が女子割礼の風習を非難し始めると、キクユ族の論理的な頭脳から次の質問が返ってきた。”あなた方が聖書を翻訳して聞かせてくれたところでは、イエスの母マリアは割礼を受けた娘だったというのに、この儀式を我々の娘たちに行ってはいけないとどうして言えるのか”また”聖パウロが’割礼があってもなくても、それは問題ではない’と裁定したのをどう説明できるか。しかも聖パウロはこの言葉を男子の割礼に限定してはいないのだから、 女子の割礼の場合にもいえるわけではないか”と。」

(2006年5月27日収録、5月29日(注)追加、2009年12月1日インド人、米国インディアン・白人を追加、2013年7月4日米国赤十字データ追加)


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