各都道府県民にとって「親しみを感じる都道府県」についての調査結果は図録7774でふれた。ここでは、これとは反対に「苦手な都道府県」についてJタウンネットが調べたwebアンケートの結果を掲げた。

 東日本では大阪を苦手と考える人が多く、西日本では東京を苦手と考える人が多いという日本人の地域的な感情構造が明確である。

 西日本と東日本をむしろ東京が苦手か、大阪が苦手かという感情で区分した方が適切と言えるかも知らない。

 すると西とは東の境界は、富山、岐阜、愛知と新潟、長野、静岡の間に引かれることななる。

 また、例外的な地域構造も明らかとなる。

 第1に、遠く離れた東京や大阪が苦手というのと異なり、広島の周辺県では広島が苦手という人が多くなっている。これは広島が抱いている中国四国地方で自分が一番という優越感への反感が理由と言われる。

 第2に、山形は東北であるが、東京が苦手と言うことから、むしろ、感情的には西日本であるともいえる。これは北前船の影響で古くから上方文化の影響が大きかったからであろう(図録7810)。

 第3に、福島は山口が苦手という個別事例が目立っている。これは、やはり、戊辰戦争(1868年)で攻める長州藩に対し会津藩が屈辱を味わった影響だろう。

 第4に千葉県民が京都に対して苦手意識をもっているという点であるが、これはこれといった明確な理由が不明である。強いて理解しようとすると、全国的に京都は「いけずと」いわれる「意地悪」で「裏表がある」イメージから、東京、大阪に次いで苦手地域として挙げられることが多く、千葉県民の海洋的、開放的な性格と相いれない側面が大きいからと考えられる。

 ここまでは、各都道府県民がもっとも苦手とするのはどの都道府県かという調査結果だったが、次に、同じ調査で全体としてどの都道府県が苦手意識を抱かれているかについての集計結果を見てみよう(末尾図参照)。

 もっとも苦手都道府県としての票を全国から集めたのは東京の802票(21.4%)であり、これに大阪の646票(17.2%)、京都の439票(11.7%)が次いでいた。

 一方、票数がもっとも少なかったのは鳥取の6票であり、宮崎、奈良の9票がこれに次いでいた。票数が少ない県は苦手と思われる割合が小さいというよりは、存在感が希薄で苦手とも意識されないだけと考えられる。

 逆にひるがえってとらえ直すと苦手と意識される票数が多い都道府県も単に存在感が大きいからだけとも考えられる。

 下図では、そうした存在感の大小をキャンセルアウトした苦手都道府県ランキングとして人口10万人当たりの苦手票数の指標を点グラフであらわした。

 こちらの指標で判断すると京都を苦手とする意識が全国的に最も大きく、沖縄、大阪が第2位、第3位で続いていることが明らかになる。京都を苦手とする程度は2位の沖縄をかなり上回っている点に京都の特異性が見て取れる。

 そして、票数そのものでは1位だった東京は4位と大阪を下回っている。存在感が大きい分、苦手とされているだけで、特段に苦手意識の対象となっている訳ではないことが分かる。

 地方ブロックで周辺から意外と苦手と見なされているのは上述の通り、広島が目立っているが、人口比の苦手程度からみると、東北では秋田、関東では東京以外で茨城、九州では福岡でなく佐賀、北陸では石川もけっこう苦手とされているようだ。

 逆に苦手ととらえられる程度が最も低いのは、この指標では静岡であり、兵庫、奈良がこれに次いでいる。こうした県の嫌われにくい温和な地域性がうかがわれる。


(2026年1月24日収録、1月25日コメント補訂)


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