
「親しみ」ではなく「苦手」と感じられている都道府県については図録7773参照。 3大都市圏の中心都市は通勤や買物、親戚づきあいなどでつながりの深い周辺地域が親しみを感じている程度が高い。 特に首都東京は、11の道府県民から、一番親しみを感じるところとしての回答を集めた。隣接する埼玉など以外に周辺の北関東、あるいは新潟、長野、そして遠隔地の北海道や沖縄も東京を最も親しみを感じる地域としてあげている。 大阪も9つの府県が最も親しみの感じる地域としてあげている。愛知は周辺の3県と少なく、東京、大阪ほどの引力はないようだ。 その他、地方ブロックの中枢都市を抱える地域も周辺から親しみを感じられている。仙台を抱える宮城は周辺3県が、また福岡も周辺4県が親しみを寄せている。京都も文化的な吸引力が強いためであろうか、3県が最も親しみのわく地域としている。 こうした中心都市の吸引圏からやや独立した状況が、青森と秋田が東北の中心である宮城というより、むしろ北海道に対して最も親しみを感じている点、隣接する広島と山口が、また鹿児島と宮崎が相互に親しみを最も感じている点にうかがえる。 また、富山が金沢を抱える石川に最も親しみを感じ、石川はむしろ京都に親しみを最も多く感じている点、鳥取が島根に最も親しみを感じ、島根は広島に最も親しみを感じている点は、やや片思い的な状況ともいえる。 下表には、親しみを感じる先として全国的に回答を集めた都道府県の順位と全国平均回答率、および、どの都道府県がそれらの地域に親しみを感じる高い回答を寄せていたかを示した。 京都に対する滋賀、あるいは福岡に対する佐賀、大阪に対する奈良、愛知に対する岐阜の親しみの程度は34〜44%と非常に高く、一体性が進んでいる地域であることがうかがわれる。 神奈川や兵庫は人口の多い東京や大阪が最も親しみを感じる県としてあげているので順位的に上位になっている。 他の都道府県から最も親しみを感じる県として指定されなかった静岡、長野、埼玉、千葉が全国回答率の10位以内に顔を出しているのは、周辺地域から広く人気を集めているからだと思われる。 なお、「親しみ」とは別個に「苦手」を感じる都道府県がある。以下は、「47都道府県話のネタ大事典」(KAWADE夢文庫、2020年)からの引用である(元データも後に図録7773に掲載)。 「正直、苦手な都道府県はどこ?」というアンケートで、東は「大阪府」、西は「東京都」が圧倒的に多い中、広島県にも票が多く集まり、岡山、島根、山口、愛媛など周辺の県から。”苦手意識”を持たれていることが明らかになった(p.217)。 下表では、広島は山口や島根からかなり「親しみ」を感じられていることが分かる。「親しみ」と「苦手」は裏腹な関係という側面があろう。
ここまでは、各都道府県民が一番親しみを感じるのはどの都道府県かという調査結果だったが、次に、同じ調査で全体としてどの都道府県に親しみ意識が抱かれているかについての集計結果を見てみよう(末尾図参照)。
もっとも親しみ都道府県として比率が高いのは東京の9.2%であり、これに大阪の5.9%、京都の5.1%が次いでいた。 一方、比率がもっとも少なかったのは鳥取の0.3%であり、福井、徳島の0.4%がこれに次いでいた。比率が少ない県は親しいと思われる割合が小さいというよりは、存在感が希薄で親しいとも意識されないだけと考えられる。 逆にひるがえってとらえ直すと親しいと意識される都道府県も単に存在感が大きいからだけとも考えられる。 下図では、そうした存在感の大小をキャンセルアウトした親しみ程度ランキングとして人口10万人当たりの親しさ比率の指標を点グラフであらわした。 こちらの指標で判断すると京都を親しいと感じる程度が全国的に最も大きく、長野、宮崎が第2位、第3位で続いていることが明らかになる。京都を苦手とする程度は2位の長野をかなり上回っている点に京都の特異性が見て取れる。 逆に親しみ程度が最も低いのは、この指標では埼玉であり、千葉、愛知がこれに次いでいる。こうした県の人気のなさがうかがわれる。 苦手意識でも京都は特段高い程度を示している(図録7773)。親しみ意識と苦手意識は裏腹の関係にあると言ってよかろう。苦手程度を同じように計算した結果とここでの親しみ程度の散布図を末尾に掲げた。京都は苦手程度とともに親しみ程度も全国1高く、歴史上もっとも長く日本文化の中心だったことから、日本全国から愛憎こもごもの気持ちを抱かれている特殊な地域であることが如実である。 ![]() ![]() (2009年2月23日収録、2月25日鳥取と島根の取り違え訂正、2021年8月11日末尾表2県追加、広島コメント、2026年3月3日親しみを感じる都道府県ランキング図、3月12日親しみ程度と苦手程度の散布図)
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