日本の国土は森林が66%を占める山がちの特色をもっており、標高100m以下の土地が26.6%であるのに対して、標高100〜500mの土地が45.9%、500m以上の土地が27.5%を占めている。平均高度は378mである。 他方、居住人口については、標高100m以下が82.9%であるのに対して、標高100〜500mが15.0%、500m以上の土地が1.9%を占めるに過ぎない。平均居住高度は68mである。 東日本大震災では多くの地域が10m以上の津波に襲われたが(図録4363b)、標高10m未満の住んでいる人口は、29.7%と約3割を占めている。 うち、5〜10mが人口の11.1%、3〜5mが8.3%、1〜3mが7.8%を擁している。 さらに、標高10m未満のうち、ゼロメートル地帯(標高1m未満)の土地面積は国土の0.6%であるが、居住人口は314万人、2.5%に及んでいる。 日本の新田開発は、長い歴史の中で、土木技術の発達やそれを活用しうる在地権力の広域化(小村落→荘園領主→戦国大名)により、以下のように、河川の上流部から下流部へと進展してきた。現在、多くの人口が居住している低地は戦国時代・江戸時代以降の大規模開発によってはじめて本格的に人口が集積したものと考えられる。 新田開発の時代的進展
参考までに米国の標高別居住人口比率との比較を掲げた。大陸国だけあって、100〜400mといったメインの居住地域の標高が日本では居住が少なくなる高さである点が目立っている。島国の日本では海岸沿いにへばりついたかたちで人々が居住している様子が対照的に理解される。米国では津波被害が国の根幹を揺るがすことはないといえよう。こうした国で開発された原発の設計をそのまま日本に持ち込むことは不適切だったというほかない(図録4112参照)。 なお約200年前の米国の標高別人口については下のコラムの通りである。 都道府県別の平均高度と平均居住高度は図録7231b参照。低地居住が多いのは日本だけでなく、アジアに共通の特徴である点については、図録9060参照。
(2012年5月14日収録、12月5日米国の標高別人口追加、2013年3月18日CIESINデータを採用、3月19日新田開発史を追加)
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