2014年の段階で日本は21位と増えたとはいえそれほど海外からの来訪者数が多い国といえるレベルには達していないことが分かる。2015年には2千万人近くとなったのでタイ、ギリシャ並みになったといえる。 海外からの旅行客数の世界1はフランスの8千万人台であり、2位は米国の7千万人台となっている。この2カ国に続いて、スペイン、中国、イタリア、トルコ・ドイツ・英国が、それぞれ、6、5、4、3千人台となっている。 日本の政府は2016年3月30日に開かれた「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」で2020年の訪日外国人観光客数の目標を年間2000万人から4000万人に倍増させ、30年には6000万人を目指すとした(毎日新聞2016.3.31)。2020年に現在のイタリア・トルコ並み、2030年には現在のスペイン・中国並みにしようとする計画である。 2013年、2014年の対前年伸び率は、日本はそれぞれ、24%、29%増と上位国の中でともに最高となっており、国際観光の進展が世界の中でも最も著しい国となっている。 日本以外で伸び率が目立っているのは、メキシコ、ギリシャ、韓国などである。ギリシャは欧州債務危機の震源地としての落ち込みからの回復過程での伸びと考えられる。韓国は日本と同様中国客の伸びが大きいと考えられる。 2014年のタイでは、反政府運動に対抗して総選挙が2月に実施され、それに対して憲法裁判所がこれを無効とし、さらにインラック首相を失職させるといった政治的混乱の末、5月には軍部による軍事クーデターが起った。こうした国内の混乱が海外旅行客数の減少につながったと思われる。 図録の対象となった海外からの旅行客数上位21位までの国は多い順に以下である。フランス、米国、スペイン、中国、イタリア、トルコ、ドイツ、英国、ロシア、メキシコ、香港、マレーシア、オーストリア、タイ、ギリシャ、カナダ、ポーランド、マカオ、韓国、オランダ、日本。 (2016年3月7日収録、4月2日政府計画)
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