事故率は、クルマが走った程度に応じてどのぐらい事故が起きたかを示しているが、日本は99件とモンゴル、ウクライナ、韓国、トルコ、南アフリカに次いで世界第6位に事故の多い国となっている。日本の事故率が高いのは、総走行キロ当たりの指標なので、渋滞、低速走行が多い日本では走行時間的には長いという理由、道路整備の状況、あるいは律儀に事故処理をしているためとも考えられる。 事故率を世界的に見ると、途上国で高く、欧米で低いという一般傾向がある。オーストラリアの事故率が格段に低いが、母数となる走行台キロがやたらと大きいためであろう。 次ぎに、交通事故死亡率を見ると、日本は、事故率とは異なって、世界的に見てもかなり低い死亡率となっている。米国、韓国などは日本の2倍かそれ以上の死亡率となっている。もっとも、日本もかつては現在の2倍以上の交通事故死者数だったので、その当時は、現在の韓国、米国と同等の水準の死亡率であった(図録6820参照)。 交通事故死亡率も全体的には途上国で高く先進国で低い。ロシア、アラブ首長国連邦といった産油国で交通事故死亡率が高いのは、ガソリン代が安く、経済発展度の割に自動車交通が普及しているからであろう。逆に、道路の発達に制約があるフィリピン(群島)や人口の割に道路の少ない香港では、人口当たりの死亡率は低くなっている。 飲酒運転による交通事故死の国際比較は、図録6834、歩行者・自転車・自動車等の状態別交通事故死比率の国際比較は、図録6836を参照。 なお、ここで対象とした国は、事故率は30カ国、事故率の高い順にモンゴル、ウクライナ、韓国、トルコ、南アフリカ、日本、エクアドル、エジプト、オーストリア、ドイツ、ハンガリー 、ベルギー、チェコ、カナダ、イスラエル、スイス、英国、米国、ニュージーランド、オランダ 、メキシコ、スウェーデン、スペイン、ギリシャ、アイルランド、ノルウェー、フランス、フィンランド、デンマーク、オーストラリアである。交通事故率は44カ国、交通事故死亡率の高い順に、南アフリカ、マレーシア、アラブ首長国連邦、ロシア、モロッコ 、ギリシャ、アルジェリア、韓国、ポーランド、ウクライナ、米国、インド、イラン、アルゼンチン、チリ、ニュージーランド、ベルギー、チェコ、ハンガリー 、エジプト、オーストリア、イタリア、フランス、オーストラリア、カナダ、スペイン、トルコ、デンマーク、アイルランド、フィンランド、中国、ドイツ、日本、メキシコ、スイス、オランダ 、ノルウェー、スウェーデン、ブラジル 、英国、パキスタン、バングラデシュ、香港、フィリピンである。 (2006年5月17日収録、2010年1月3日更新、2013年8月19日更新)
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