海上輸送が大きなシェアを占める鉄鋼、石油製品、セメント、ケミカルといった素材産業の物流費比率は低下傾向にあったが近年では底を打っている状況がうかがえる。 物流費比率の低下傾向の要因としては、高炉メーカー大規模合併(2003年NKKと川崎製鉄の経営統合によりJFE誕生)に伴う物流合理化、石油タンカー輸送における企業間連携による地域間交錯輸送の解消、セメントタンカーの大型化など物流の思い切った効率化が図られているのに加えて、荷主企業の再編グループ化、大型化にもかかわらず内航海運業やトラック業界は中小零細企業が中心であり運賃交渉力等においてますます格差が広がっていること、さらに世界的な資源価格の上昇が、一定程度、素材製品の価格に反映し、売上高が運賃水準に比して相対的に上昇したことが影響していると考えられる。 近年では、輸送対象の資源価格の低下、及び景気回復や運輸業界の人材不足による運賃水準の回復などの理由で物流費比率の低下は底を打っている。 品目別の輸送機関分担率については、図録6500参照。 物流費に占めるトラック、鉄道、海運の構成とその変化については図録6550参照。 (2008年4月10日収録、2009年3月12日更新、2010年11月16日更新、2013年1月22日更新、2015年7月5日更新、2016年1月14日更新)
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