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そのひとつとして、移動手段への影響を見てみよう。資料としてはITF Transport Outlook 2021に掲載されていたので気づいたアップルの統計を使用した。 図には、アイフォーン(iPhone)などアップルの機器を使っている人がAppleマップにおける経路サービス(Apple routing services)で設定した移動手段の推移を示した。実際に、その経路、移動手段で移動したとは限らないが、世界の人びとの移動方法別の移動量を反映してはいるだろう。 (世界) 世界全体の動きを振り返ってみよう。 2020年3月中に、車でのドライブ、公共交通、歩行のいずれも急減している。同月は、欧米諸国などで第1波の感染爆発が起り、各国でロックダウンが実施された時期に当たっている(図録1951d参照)。 その後5月以降、移動は回復していったが、7月には米国で第2波の感染拡大が起り、10〜11月にはヨーロッパでも再度感染が急増、第2回目のロックダウンとなったので、移動量は再度減少に転じている。 2021年に入ると欧米を中心に徐々に感染拡大がおさまり、それにともなって移動量も増加傾向となっている。 興味深いのは、最初の移動量の大きな落ち込みでは、ドライブより歩行、歩行より公共交通の方が大きく、また、その後の回復過程でも、この順で回復度が低く、回復の時期も遅れていることである。 すなわち、感染を恐れてひとびとは電車、バスなどの公共交通から、クルマ移動や歩行を選択するようになったのである。2020年9月の段階で公共交通はパンデミック前にようやく達したが、その後、すぐまたパンデミック前以下となっている。これに対して、ドライブや歩行、特に、ドライブはパンデミック前を何割も上回っているのである。 2020年9月以降の再度の落ち込みと回復の過程では、ドライブと歩行はほぼ同一のレベルで推移し、公共交通はそれらから一定幅低いレベルでほぼ平行的に推移している。つまり、3つの移動手段の相対関係は不変のまま推移している。 (日本) 日本の推移は以下の点で世界全体の動きとかなり異なっている。
(欧州) 欧州の場合は、以下の点で世界的推移と異なる特徴が認められる。
(米国) 米国の場合は、以下の点で世界的推移と異なる特徴が認められる。
(2021年7月10日収録、8月14日更新)
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