日本は、パソコンの電子メールやインターネットでは、4カ国の中でもっとも使用率が低く、携帯電話は、さすがに8割近くが使っているが、それでも、ドイツに次いで使用率が低くなっている。 IT機器上のプラットフォームの活用に関しては、SNS、ホームページ・ブログでの情報発信、ネットバンキング、行政手続きのいずれもが他国より大きく割合が小さくなっている。 「いずれも使わない」は13.7%とドイツの13.4%とともに高い値となっている。 4カ国の中ではスウェーデンの高齢者が、いずれの使用率でも割合が最も高くなっていることが多く、米国の高齢者がこれに次いでいる(ファックスは除く)。 下図に「いずれも使わない」の比率推移を示したが、いずれの国でもIT機器を使わない高齢者は激減している。その中でもドイツと日本はIT機器なしの生活が高齢者にとって比較的可能な国である。 以下にはIT機器を使わないと答えた高齢者に聞いたその理由を掲げた。ドイツでは「必要性を感じないから」が8割近くと最も多く、「使い方が分からない、面倒」がこれに次いでいる。日本はこの2つの回答の順番が逆となっている。 日本やドイツの高齢者がIT機器を余り使わないのは、使う能力がないからではなく、気軽に電話をかけて用を足せる社会に暮らしているからだという側面が強いことがうかがわれる(図録6212でも再論)。冒頭図でネットバンキングや行政手続きでIT機器を使う比率が低いのも使わなくとも用が足りるからだと考えられる。電子マネーやクレジットを使わないで現金を使う者が多いのと同じ理由であろう(図録5098参照)。 最後に、IT機器を使わない理由のうち「お金がかかるから」の各国推移を下図に示した。2020年に日本の値が21.9%と跳ね上がったのが目立っている。当時の菅官房長官(のち首相)がこの点の改善のため通信料金の値下げを図ったことは記憶に新しい。実際、その結果、スマホ代が下がり、私なども2022年にはガラケーからスマホに乗り換えた(図録6254参照)。 (2017年12月18日収録、2018年5月17日「使わない理由」米国、スウェーデン追加、「使わない」割合推移、2023年1月21日更新、お金がかかるからの理由推移)
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