二人以上の世帯の家計消費における購入先別支出額構成比の変化を見ると、1964年当時は、一般小売店が7割以上を占め、スーパーは8%以下であった。また当時は百貨店(デパート)がスーパーを上回っていた。 その後、スーパーの躍進により、1980年代には一般小売店が半分を切り、1999年にはスーパーとほぼ同額、2004年にはスーパーが一般小売店を上回るに至った。2009年にはスーパーが一般小売店を大きく引き離した。 1999〜2004年にはスーパーのシェアも低下に転じたが、これは、ディスカウントストアや家電量販店など専門量販店が躍進しているからである。ディスカウントストアは2004年に百貨店を追い抜き、2009年には支出比率で1割を大きく上回った。 若年単身世帯の買い物場所別シェアを見ると、かねてよりコンビニが多く、またインターネット販売を含む通信販売のシェアが急伸しているが、一方で、一般小売店がスーパーをなお上回っている。これは、これらの世帯ではマイカーの利用率が低く、住んでいる場所も駅前や商店街に近いところでありケースが多いためと考えられる。 高齢単身世帯の買い物場所別シェアはほぼ二人以上の世帯の動きと平行している。背景として高齢ドライバーの増加が考えられる(図録6374参照)。また、かつては少なかったコンビニ利用が大幅に増えているのも特徴である。(図録5622参照) 地域ごとの買物先については図録5637参照。 以下にコンビニの代表的存在であるセブン−イレブンの歩みの年表を掲げた。鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス会長によれば、セブン−イレブンの進化には、1976年の共同配送、2001年のATM導入など、取引先の反発を乗り越えるものが多かったという。共同配送については、今では信じられないことであるが、「例えば牛乳は「森永」「明治」とメーカー単位で運んでいた。そんなに売れるわけでもないのに1日に車が何台も来る。地区ごとに全メーカー分をここは明治、ここは森永とすれば我々も楽だし先方も楽だと提案したら「(他社の商品を運ぶなど)冗談じゃない」と相当のお怒りだった」。共同配送の結果、「1日70台のトラックが来ることもあったが改善を重ね今は7〜9台に集約された」という(毎日新聞2014年1月3日)。
百貨店は全体として凋落傾向にある。それを象徴するようにそごうと西武百貨店はセブン&アイ・ホールディングスの傘下となっているが、さらにお荷物となっているため入札で売却が予定されている(下図参照)。 大都市の百貨店は訪日客の需要により売り上げを伸ばす一方で地方百貨店は苦境に置かれ、次々と姿を消している。2020年に山形、徳島は県内に1店もない「ゼロ県」となり、2024年には岐阜、島根が加わることになる(東京新聞2023.12.25夕刊)。 (2008年5月1日収録、2010年12月28日更新、2014年1月3日セブン−イレブンの歩み追加、2022年2月2日更新、2023年12月25日姿を消す地方百貨店)
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