ここでは、支持政党の推移を追った。5年おきの推移なので、長期推移を見るのに適しており、マスコミが報道するその時々の政治動向に沿った支持率の動きは追えない。 大きな動きとしては、自民支持が減って、無党派層が増えていたが、民主党政権期(2009〜12年)を挟んで、2012年末の第2次安倍政権発足後の2013年には、再度、自民党が回復した。安倍長期政権が続く中、批判の元となる問題も出はじめ、2018年には自民党支持は再度低まっている。 まず、支持政党なしのいわゆる「無党派層」については、1973〜83年には3割強でそれほど変動がなかったが、88年以降は顕著に増加し、2003年には57%と6割近くを占めるに至った。ところが、2008年には46%へとかなり減少した。政権交代への期待が高まったためともいえる。その後、民主党も分裂し、2018年には、与野党ともに人気が衰え、無党派層が60%と最多となっている。 長期的に自民党と自民党以外の対比を見ると、両者の割合は15年単位で近づいたり離れたりしながら、常に自民党の方が多かった。異なるのは、無党派層が増えた点であり、無党派層の動向次第では両者が逆転する可能性は拡大しているといえよう。 事実、2009年の衆議院総選挙では自民党が大敗、民主党への政権交代が起こった(図録5231、図録5235参照)。図の通り、2008年6月の段階ではまだ自民党の支持率の方が自民党以外、ましてや民主党よりも高く、さらに自民党支持率は若干の上昇傾向にあったのであるが、2009年には、これが大きく逆転したわけである。 2001〜2006年の小泉政権期、特に2005年の郵政選挙までは、小泉首相の人気が非常に大きかった。だが、図の2003年の自民党支持率は1998年に比べ1%しか増加していない。小泉首相の人気は個人的人気であり、自民党の人気にはなっていなかったことが分かる。いな、自民党への批判の高まりから政権交代が起こった現時点から捉え直すと、むしろ、自民党支持率の傾向的低下を小泉首相が「自民党をぶっこわす」と叫んで無理矢理、一時期、引っ張り上げていたと見るべきなのかも知れない。 自民党、民主党以外の諸政党の支持率については、図の下の表に記載した。社民党は社会党時代の1973年には20%近くの大きな支持率を有していたが、その後、どんどん衰退し、今や1%以下となっている。公明党、共産党は、1973年以来、5%を超えたことはない。 (2010年4月5日収録、2014年5月20日更新、2019年1月9日更新)
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