世界各国の軍事力を軍事力人数(兵力)で測るとすると、世界最大の軍事大国はインド(305万人)であり、これに中国(254万人)、北朝鮮(147万人)、ロシア(145万人)、米国(139万人)が続いている。 2022年2月にロシアによって侵攻されたウクライナの人数は増やしていたようだが31万人とロシアの2割程度にすぎない。 米国の軍事支出対GDP比は3.4%と大きい。経済規模(GDP)自体の大きさを考えると米国が世界最大の軍事大国である点はいうまでもない。中国は対GDP比では1.7%とそれほど大きくない。 軍事支出対GDP比が5%以上の高い国としては、サウジアラビア、アルジェリア、イスラエルといった中近東・北アフリカの諸国であり、紛争を抱えている地域の状況をうかがうことができる。 「GDP比2%の国防費」は北大西洋条約機構(NATO)の目標値である。しかし、メルケル前政権下では実現が難航した。図ではドイツの軍事支出は1.3%と低い。ところが、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻によって、左派主導のショルツ政権は「歴史は転換点にある。民主主義防衛には国防への投資が必要」として、現在GDP比1.5%の国防費を2%に増額し、軍備増強のため、1千億ユーロ(約13兆円)の基金を創設すると宣言した。北欧諸国なども同様の動きを見せている(産経新聞2022.3.14)。 日本は26万人でグラフの諸国の第27位となっている。軍事支出対GDP比は0.9%と世界の中でも低い方のレベルである。日本の人口はロシアを入れて世界第10位なので(図録1167)、「普通の国」でなく、戦争放棄の憲法ならではの小ささともいえるし、そうであるならもっと小さくても良いはずだという観点もあるだろう。 (参考データ)
対象国を、だいたい軍事力人数の順にあげると、中国、インド、米国、ロシア、北朝鮮、パキスタン、エジプト、イラク、ブラジル、韓国、トルコ、インドネシア、イラン、ベトナム、ミャンマー、コロンビア、タイ、シリア、イタリア、フランス、メキシコ、アルジェリア、アフガニスタン、日本、ドイツ、サウジアラビア、モロッコ、スペイン、スリランカ、バングラデシュ、ウクライナ、エリトリア、ペルー、カンボジア、イスラエル、ベラルーシ、英国、フィリピン、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、ネパール、ルーマニア、ギリシャ、シンガポール、南スーダン、エチオピア、イエメン、マレーシア、ラオス、スーダン、ポーランド、アンゴラ、ベネズエラ、ヨルダン、アルゼンチン、チリ、ポルトガル、ウズベキスタン、ボリビア、アゼルバイジャン、カザフスタン、レバノン、南アフリカ、キューバ、カナダ、ブルガリア、エクアドル、オーストラリアの68カ国である。 (2005年2月1日収録、2月3日修正、2007年3月6日更新、2010年10月21日更新、11月1日NATO新概念をめぐる東京新聞記事引用、2012年3月16日更新−比較対照年次を1985年から2000年に変更、2013年1月15日更新、2022年2月26日更新−ロシアのウクライナ侵攻でアクセス数が増えたため、3月14日欧州で軍事支出増の動き)
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