最初の図は、地域ブロック毎に、当初所得と再配分所得の平均値、及び当初所得と比較した場合の再配分所得の上回り率を再配分係数として掲げた。 再配分係数は、関東や東海といった大都市圏を含む地域で低く、九州、四国など高齢者の多い地域で高くなっている。税や社会保険による地域間の所得再配分が行われている状況が明確である。なお、北海道は2005年には再配分係数が42.7%と最高だったのに2008年には6.8%と最低となっている。これは再配分所得に余り変化がないのに当初所得が大きく伸びたためためであるが北海道民の自前の稼ぎがこの間に特別増えたとは思えない。統計上の抽出誤差の可能性もある。 さらに次の図で、地域ブロックの再配分係数の推移を見てみると、地方圏と大都市圏の値の差が大きいまま、上方にシフトしており、所得再配分の程度が地域間で大きい状況がうかがえる。(図録2800では愛知県と大分県を例にあげて社会保障の大都市圏から地方圏への移転所得の状況を示した。) 大都市圏でも再配分係数はプラスとなっており、地方間の負担と給付の帳尻は合っていない。これは大都市圏でも再配分を受ける高齢者が多くなっているとともに、年齢別の再配分に付いてみた図録4668でもふれた通り、個人税や社会保険料だけでは、再配分に要する財源が確保できていない状況を示している。 (2006年4月14日収録、2007年10月9日更新、2010年9月27日更新。2013年10月11日更新、2016年9月15日更新、2019年9月11日更新、2023年8月25日更新)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|