経済発展の結果、国が豊かになると貧困率は低減するかを所得水準と貧困率(食べ物についての)の相関図で見てみよう。

 食べ物や医療などがお金がなくて満足に入手できなかったかどうかという貧困の定義で貧困率を国際比較したピューリサーチセンター(Pew Research Center)の調査の結果を図録4653に示した。同センターの2013年調査は39か国と調査国数が多かったので国の所得水準との相関を取ることにより、国が豊かになると貧困が減る傾向があるかどうかを確かめる図が描けたのである。

 結果はプラスの相関であることが確かめられる。図には対数近似線が書き込まれているが、R値は0.55と直線近似の0.46より若干高くなっており、所得水準が最低水準から離脱すると貧困は急速に減るが、一方では、豊かな国でも貧困の改善は直線的には進まないことが分かる。

 傾向線からの乖離状況によって、韓国や米国のように豊かになった割には貧困が残っている国と豊かになって貧困問題がかなり解決を見たドイツや日本のような国の対照も目立っている。

 なお、ピューリサーチセンターは報告書に同じ図を掲載し、「途上国の多くは食べられるようになるため必死で努力」というタイトルをつけている。

(2015年10月23日収録)


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