主要国のエネルギー自給率とエネルギー効率の指標を示した。主要国としては日本の他、米国、フランス、ドイツ、イタリア、英国、スウェーデン、韓国、中国を取り上げた(エネルギー効率について、より多数の国の間の比較と推移は図録4070参照)。

 日本のエネルギー自給率は6%とイタリア、韓国の低水準を大きく下回って非常に低いレベルにある(福島第一原発事故前の2008年には18%とイタリア、韓国と同レベルだった)。これは、石油、石炭、天然ガスなど主要なエネルギー資源がほとんど国内に存在しないためである。こうした統計では、原子力は燃料のウランを一度輸入すると数年間利用できることから自給エネルギーとしているが、もし原子力を自給エネルギーに入れないと自給率は2008年には5%であったが、2013年には原子力が失われたのでほぼこれと同じ水準となったのである。

 他方、1ドルのGDPを稼ぎ出すのに必要なエネルギー供給量を石油換算で計算すると、日本の場合は、100キログラムとドイツと同水準であり、イタリア、英国よりは多い。2008年には世界の中でも最も少なく、エネルギー効率が非常によく、自給率が低いだけに、エネルギーを大切に使う技術が発達した結果を示していたが、原発事故後は、そうはいえなくなった。

 米国の場合は、エネルギー多消費型の経済構造を有している。それだけ石油高騰などエネルギー価格の上昇が経済に大きな影響を及ぼすと考えられる。

 また、後発経済発展国は、エネルギー効率が高まるまでにあれ程度時間を要すると考えられる。韓国は、なお、米国よりもエネルギー効率が悪い。中国に至っては、1ドルのGDPを生み出すために石油換算590キログラムのエネルギーを必要としている(2008年段階よりは改善されている)。中国のエネルギー源の中心が石炭であることも加わって、こうしたエネルギー多消費構造が深刻な環境問題を生じることとなることはいうまでもない。

 なお、こうした各国比較が原発の施設利用率により影響を受けている点については図録4050参照。

(2005年10月3日収録・10月4日追加修正、2011年5月30日更新、2017年5月12日更新)


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