図にはX軸にスポーツをする比率、Y軸にスポーツをテレビで見る比率をとった散布図を掲げた。図の右上にはスポーツをするのも見るのも好きな国民、左下には両方とも余りしない国民、左上には見るほうが好きな国民、右下にはスポーツはするほうが好きな国民が分布しているといえる。 目立った国をあげると、右上のスポーツをするのみ見るのも好きな国はニュージーランド、スイス、韓国、右下の見るよりするのが好きなのはフランス、台湾、左上のするより見るのが好きなのは日本、フィリピン、ポーランド、どちらの余裕もないのがロシア、ブルガリアである。 このように日本人のスポーツ好きは、どちらかというとするというより見る方に特徴がある。日本人のスポーツをする比率は45.8%で対象34カ国中26位であるのに対して、見る比率は76.2%で7位なのである。 日本と似たパターンの国は、する比率、見る比率が最も近いフィリピンのほか、ポーランド、アルゼンチン、南アフリカなど途上国ばかりであり、欧米先進国が「するのも見るのも好き」か「見るよりするのが好き」のパターンに属する場合がほとんどなのと対照的である。欧米の中で日本と多少とも似ている国を挙げるとしたら米国であろう。 途上国ではプールやテニス場など国民が手軽にスポーツできる施設の整備が進んでいないため、するより見る方が好まれるとも考えられる。日本ではスポーツ施設などのハード面では途上国よりも整備が進んでいると考えられるのでその理由は当て嵌まらないだろう。また、同じ東アジアに属し、労働時間が長い点でも日本と共通の韓国と台湾では、韓国ではするのも見るのも好きのパターン、台湾では見るよりするのが好きのパターンに属しており、日本では仕事で忙しいからスポーツをすることに時間を割けないという理屈も成り立たない。 2020年オリンピックの開催国としては少し情けない結果であり、これからオリンピック開催と平行して力を入れるべきなのは、高齢化に対応する健康づくりの意味を含めて「するスポーツ」の振興であろう。 同じ調査の結果から、日本人がどんなスポーツをよくしていて、どんなスポーツをよく見ているかのデータについては図録3989s、野球・サッカー・テニス・ゴルフ愛好度の国際比較の中の日本の位置については図録3989uを参照。 下にスポーツ愛好度のランキング表を掲げた。
(2015年8月25日収録)
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