NHK(2021.9.27)によると、白鵬は痛めた右ひざの状態などから、今後本場所で横綱として15日間土俵を務めることはできないと判断し、現役を引退する意向を固めたという。正式には10月30日の理事会で大相撲協会は横綱白鵬(本名白鵬翔、36歳)の引退と年寄「間垣」襲名を承認した。

 図には、2007年名古屋場所に新横綱となって以降の本場所の成績を示した。大相撲力士の成績を示したのは横綱朝青龍以来である(朝青龍の成績は図録3989h)。

 2015年までは好成績を維持していたが、同年秋場所にはじめて休場して以降は、各種のけがで休場を繰り返し、ついに引退に至った様子が明らかである。

 白鵬の口癖は「横綱は10勝して勝ち越し、12勝で2桁」だったという(東京新聞2021.10.2)。降格できない横綱は負けたら引退という気持ちが強かったためか、白鵬の考える勝ち越しぎりぎりの10勝5敗が2場所のみ、他はせいぜい3敗までの場所が多かった。

記録ずくめの相撲人生 (NHK同上報道による)

 通算勝ち星、幕内での勝ち星、通算優勝と全勝優勝の回数、横綱在位、いずれも白鵬が歴代1位である。以下には歴代優勝回数上位10位の力士を掲げたが、白鳳は他を圧倒している。


 通算の勝ち星は、2001年春場所の初土俵から積み重ねた1187勝。2位、大関魁皇の1047勝を大きく上回り断然トップである。

 幕内での勝ち星は1093勝。幕内の通算出場は1282回で、歴代8位にとどまる中、幕内での勝ち星は、ただひとり1000勝を超えていて、勝率は8割5分と非常に高い率を誇っている。

 6年前、2015年の初場所では33回目の優勝を果たし、昭和の大横綱、大鵬の32回の優勝回数の最多記録を44年ぶりに塗り替えた。

 最後の優勝は2021年7月の名古屋場所で、最多記録を45回にまで伸ばした。このうち15戦全勝での優勝は16回、双葉山と大鵬の大横綱2人の通算8回の2倍となる歴代1位だ。

 さらに、2010年春場所から2011年5月の技量審査場所まで7場所連続優勝の記録も横綱、朝青龍と並ぶ歴代1位である。

 朝青龍が引退した2010年には、初場所から九州場所にかけて、双葉山の69連勝に次ぐ歴代2位の63連勝を記録した。

 さらに2009年と2010年は、年間6場所、90戦のうち86勝し、年間で4回しか負けないという圧倒的な強さを2年間も見せつけました。朝青龍が2005年に記録した年間勝利数の84勝を上回るこちらも歴代1位の記録である。

 2021年秋場所の時点で幕内に103場所在籍、歴代1位、魁皇の107場所まであと4場所まで迫っていた。このうち横綱在位は84場所、横綱在位中の出場回数は1019回、さらに横綱在位中の勝ち星899勝、これらも歴代1位でまさに記録ずくめの相撲人生だった。

取り口や言動に批判も

 圧倒的な強さを見せてきた白鵬は、近年、取り口や言動に批判を受けるようになった。以下には、白鳳がおこしたトラブルの一覧を掲げた。


(2021年10月1・2日収録)


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