米国ではマスメディアの信頼度が全体的に低下する中で、政党支持層別の信頼度の格差が拡大している。すなわち共和党支持層でマスメディアへの信頼度が極端に低下し、米国社会の分断状況をうかがわせるものとなっている。

 この点を示したギャラップ社のデータを掲げた。

 マスメディアは民主党寄りに偏向しているとの見方が拡大しているからであろう。一方で、共和党支持層はソーシャルメディアに依拠する程度が増しており、こうした状況がますます国内の政治的分断と民主主義の危機を招いていると国民も考えるようになっている(図録6258参照)。

 新聞・雑誌への信頼度の各国比較は図録3963参照。

 下図には、ピューリサーチセンターのデータからニュースソース別の信頼度を共和党・民主党支持層別に示した。共和党支持層がほとんどのニュースソースを信用しなくなっている状況が印象的である。その中で例外であるのがFox News(フォックス・ニュース)であり、民主党支持層は64%が信用できないとしているのに対して、共和党支持層は56%が信用できるとしており、正反対の信頼度となっている。

 共和党支持層からの評判が最も悪いことで目立っているのはCNNとMSNBCである。米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下の報道ケーブルテレビ局であるCNNに対してはトランプ大統領が長年敵視する発言を繰り返している。米マイクロソフトとNBCが共同で設立し、1996年に放送を開始したMSNBCは米国ではリベラル派の報道局として知られる。2025年8月にMS NOW(「マイ・ソース・ニュース・オピニオン・ワールド」の略)に名称変更。ケーブル報道局のなかでは、保守系の「FOXニュース」に次ぐ視聴者数を持つ。


(2025年12月12日収録、メイン図は図録3963から独立)


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