2004年12月に学校児童生徒の学力低下が2つの国際調査で相次いで明らかとなり、教育改革の必要性が広く認識された。当サイトでも図録3940でそのうちの1つについて取り上げた。学力低下の背景についても種々取り上げられ、児童生徒の学習環境、学習意欲の問題点が指摘されている。

 ここでは、国際教育到達度評価学会(IEA)が行った「国際数学・理科教育動向調査の2003年調査(TIMSS2003)」の結果から、学校外での時間の過ごし方、その中でも日本の特異性があらわれている宿題をする時間とテレビ・ビデオを見る時間(1日当たり平均時間)を取り上げた。

 宿題をする時間は、日本は1.0時間であり45か国中最も少なく、国際平均値の1.7時間より0.7時間少ない。

 日本の生徒が国際平均値より多いのはテレビやビデオを見る時間であり,2.7時間と45か国中最も多く,国際平均値の1.9時間より0.8時間多い。

 一人で勉強できないのも問題であるが、学校の補習や塾での勉強があるので、ここでの宿題の時間が授業以外の勉強時間のすべでではない点に気をつける必要がある。私塾通いが多い韓国でも宿題時間は少ない。

 しかし、日本におけるテレビ・ビデオを見る時間の多さはやはり異常と言うべき程度に達している。

 調査対象国は45カ国であり、具体的には宿題をする時間の多い順に、ルーマニア、ロシア、レバノン、チュニジア、アルメニア、イタリア、イラン、モルドバ、バーレーン、ヨルダン、南アフリカ、ボツワナ、パレスチナ、マレーシア、モロッコ、シンガポール、ラトビア、リトアニア、キプロス、ハンガリー、インドネシア、エジプト、ブルガリア、サウジアラビア、ベルギー(フラマン語圏)、スロベニア、イスラエル、エストニア、フィリピン、香港、チリ、ガーナ、セルビア、オランダ、米国、ノルウェー、マケドニア、台湾、オーストラリア、スウェーデン、ニュージーランド、スロバキア、韓国、スコットランド、日本である。

(2005年7月7日収録)


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