将棋の羽生善治九段(48)は、2019年6月4日、永瀬拓矢叡王(26)との王位戦リーグ対局で勝利し、歴代単独1位となる1434勝(591敗2持将棋)となり、故大山康晴15世名人の記録を27年ぶりに塗り替えた。48歳8か月での達成は、大山15世名人の69歳3か月を大幅に上回った。

 将棋の公式戦通算勝利数ベスト5を下表に掲げたが、羽生棋士の特徴はずば抜けた勝率の高さにあることは明確である。

将棋の公式戦通算勝利数ベスト5(2019年6月5日現在)
対局数 勝利 敗戦 持将棋 勝率
1 羽生善治(現役、九段) 2027 1434 591 2 70.8%
2 故大山康晴(15世名人) 2216 1433 781 2 64.7%
3 加藤一二三(九段) 2505 1324 1180 1 52.9%
4 谷川浩司(現役、九段) 2167 1318 846 3 60.9%
5 中原 誠(16世名人) 2093 1308 782 3 62.6%
(注)谷川九段の成績は未放映のテレビ対局を除く
(資料)東京新聞(2019年6月5日)

 将棋史に金字塔を打ち立てた羽生善治棋士のこれまでの対局勝利数の毎年の歩みをグラフにした。それぞれの年で最多勝、最高勝率、最多対局だったかかも表示したが、勝利数の多い年には、それらが複数該当していることが分かる。

 2017年は、「神武以来の天才」と言われた加藤一二三九段の引退と、前後してわき起こった「ひふみん」ブーム。そして新時代の天才、藤井聡太四段の新記録29連勝の達成と、史上空前と言えるほど将棋界が社会的に注目された年であったが、12月には、そのトリを飾るにふさわしい空前の偉業として史上初となる羽生棋士の「永世七冠」達成が実現した。

 中学生で四段以上のプロ棋士となった「中学生棋士」である藤井聡太、加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明、各棋士の四段から九段までの昇段年齢ランキングについては図録3916でふれている。羽生棋士はこの5人の中で昇段年齢はいずれも最年少ではなく、ことさらに早熟ではないことが分かる。

 羽生棋士の年次別勝利数の軌跡をライバル視されていた谷川棋士と比較した図を下に掲げた。勝利数のレベルの高さと安定性がやはり羽生棋士の場合目立っているといえよう。谷川棋士のような盛りを過ぎての勝利数の漸減傾向(もっとも17〜18年は復調)がなお顕著でない点も認められる。しかし、若手台頭の代表格である豊島将之名人(29)や藤井聡太七段(16)の勝利数も参考までに掲げたが、勝利数でも最近は羽生、谷川両棋士を凌駕しており、新旧交代の勢いが感じられる。


(2019年6月12日収録)


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