比較対象は、米国、英国、フランス、ドイツ、オランダである。 長期雇用については、年齢別平均勤続年数のグラフからうかがうことが出来る。 日本の男子の平均勤続年数は、50〜54歳までは、欧米諸国と比べ長くなっており、長期雇用が裏付けられる。もっとも、それ以上の年齢となると勤続年数が急速に低下する。これは勿論定年制の影響であるが、55歳以上、特に60歳以上の継続勤務について欧米を下回っている点は長期雇用、あるいは特に終身雇用という概念からは背反している。 さらに女子を見ると日本の平均継続年数は決して長いわけではない。米英といったアングロサクソン諸国や女子パート労働の比率の高いオランダよりは長いが、フランスやドイツよりは短くなっている。 すなわち、日本の長期雇用は、男子壮年層までの特徴であり、高齢者層や女性には当てはまらない。今後、高齢者雇用や女性雇用のシェアが高まってくることを考慮に入れると、それだけでも日本型雇用システムの重要性は低まることとなろう。 (2005年11月21日収録)
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