どの段階の学校を出て就職するかの学歴別新卒就職者数の推移、及び近年最多となっている大学卒就職者についての就職率の推移をグラフにした。

 学歴別就職者数については、1964年までは中学校卒(中卒)の就職人数が最も多かった。中卒の新卒就職者がいわゆる金の卵と呼ばれていた時代である。2017年の中卒就職者は3千人と少ない。

 1965年から1997年までは高校卒(高卒)の就職者数が最も多かった。高卒就職者が最も多かったのは、団塊の世代がちょうど高卒年齢となった1967〜68年であり両年とも各94万人が社会人となった。その後、高卒者の減少に伴い高卒就職者も減少したが、1970年代後半から1990年代はじめまでは、毎年、60万人の高卒就職者がいた。1990年代半ばにかけて高卒就業者は急速に減少した。2019年の高卒就職者は18.6万人と大卒就職者の半分以下である。

 1998年以降は高卒に代わって、大学卒(大卒)の就職者数が最多となった。2014年の大卒就職者は39.5万人である。また、大学院卒は修士課程、博士課程を含めて徐々に就職者数が増加しており、2019年には6.8万人となっている。同年に、学卒就職者全体に占める大卒以上の割合は68.5%と7割近くにまで至っている(2001年に半数越え)。

 なお、短期大学卒(短大卒)の就職者数は、1992年の19万人で頭を打って減少に転じている。

 2010年は就職難にともなう就職率の低下により、各学歴とも就職者数が減少しているが、特に、大卒の就職者の減少が目立っている。

 大卒の就職率は1990年代には、景気の長期低迷が続いたため、大学院進学者の増加も加わって、大きく低下した。2000年代の前半には50%台といわゆる就職氷河期の状況であった。その後、輸出産業の好転などで、雇用環境は回復し、2005年には就職氷河期は一旦終結したといわれる。ところが、2008年にはサブプラライム問題による金融不安を背景に9月にはリーマンショックが襲い、世界と連動して景気が落ち込んだため、再度、就職状況は悪化している。2010年の就職率は60.8%と過去最大の対前年の落ち込みとなった。

 しかし、その後、就職状況は急回復し、大卒就職率も2019年には78.0%にまで上昇している。

 大卒の就職内定率(就職希望者に占める比率であって当図録の卒業者に占める就職率とは概念が異なる)の推移については図録3160参照。

(2010年8月26日収録、2015年6月23日更新、2018年6月28日更新、2020年10月12日更新)


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