それでは金銭寄付のレベルはどうなのであろうか。 ここでは、ボランティア活動について、金額評価した値を時間寄付の額として、これと金銭寄付との割合を国際比較したグラフを掲げた。 なお、山内直人「非営利部門と統計整備4ボランティアの価値」(日本経済新聞2007.11.9)によるとボランティアの価値を金額評価する方法にはボランティア各人が同じ時間でどれだけ稼いでいるかで評価する「機会費用法」とボランティアを同じ仕事を雇用労働で賄ったらどれだけかかるか計算する「代替費用法」とがあるが後者の方が計算が容易であり、ここでのデータも多くはそれによっていると思われる。 日本の場合、他国と比べ、時間寄付に対して金銭寄付が10分の1と小さいのが目立っている。日本はボランティアにさく平均時間自体、欧米諸国と比べ少ないので、金銭寄付はそれ以上に相対的に少ないことがうかがわれる。 他方、米国は金銭寄付が45%を占めており、寄付がいかに社会の中に根づいているかを推し量ることができる。 このように日本と米国では全く対照的なかたちになっているが、公的なサービスについて、税金を通じて多くを政府に委ねている日本と公的なサービス自体を宗教団体の活動、ボランティア活動、また成功者(金持ち)の社会貢献活動として実現している米国という社会システムの違いのあらわれと捉えることも可能である。 なお、ここで、国際比較の対象となっているのは6カ国であり、具体的には、金銭寄付の割合の少ない順に、日本、ベルギー、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、米国である。 (2007年11月19日更新)
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