各国の社会的孤立の状況をうかがうため、「困った時にはいつでも助けを頼れる親類や友人がいますか?」をきいたギャラップ調査で国際比較してみると、日本は88.4%とOECD平均の90.4%を下回り、どちらかというと社会的孤立の程度がやや大きい国であった(2016〜18年。図録2994参照)。

 増加する老人の無縁死が注目され、「無縁社会」という言葉であらわされる高齢者の孤独、孤立が課題となっている。そこで、日本の高齢者の社会的孤立の程度を上と同じデータで見てみよう。

 数少ない例外を除くと、どの国でも、若年層(15〜26歳)より中年層(30〜49歳)、中年層より高齢層(50歳以上)の方が、困った時にはいつでも助けを頼れる親類や友人がいる割合は低くなる傾向となっている。

 日本もこの問の若年層、中年層、高齢層の答えは、それぞれ、93.5%、90.2%、88.2%となっており、高齢層ほど社会的孤立に陥りやすいことがうかがわれる。

 ただし、日本の場合、年齢による差は他国と比較して小さい方であり、高齢層が特段に孤立しているわけでもなさそうである。

 高齢層の値を国際比較してみると、日本はOECD平均より高く、むしろ高齢層は社会的に孤立していない方なのである。

 年齢による差が大きく、高齢層の孤立が特に目立っているのは、韓国、ギリシャ、トルコ、チリ、ラトビア、リトアニア、ポルトガルといった諸国である。特に韓国は高齢層では63.1%しか困った時にはいつでも助けを頼れる親類や友人がいる人がおらず、まさに老人の社会的孤立が憂慮される状況にある。

 2021年2月には日本でも孤独担当大臣が英国に倣っておかれることとなったが(英国は2018年から)、本当にそれが必要なのは韓国だろう。

 なお、ロシア、南アフリカなどOECD以外の国、あるいはメキシコでは全体に社会的孤立の程度は大きいが、特に高齢層にそれが偏っているわけでもなさそうである。

(2021年3月14日収録)


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