米国の社会保障局は、毎年母の日の直前に、前年米国で多くの新生児に付けられた名前のリストを、社会保障カードの申し込み内容に基づいて算出し、公表している(ここ)。当図録では、このデータから米国の女の子の名前のベスト3について日本と同様の表を作成した。 米国においても1910年代から1950年代にかけては、日本で和子と幸子が1〜2位を占める時期が長かったように、メアリーとリンダが長く1〜2位を占めていた。 その後、1960年代はリサが1位となり、1970年代から1980年代半ばまではジェニファーが1位を占める時期が続いた。その後も2000年代まで、ほぼ10年単位でジェシカ、エミリーが首位を占めた。 日本でもこの時期、やはりほぼ10年単位で、恵子、由美子、陽子、愛、美咲が1位となる時期が続いた。 米国では2000年代後半から、イザベラ、ソフィア、エマ、オリヴィアと首位の名前の継続期間は短くなって移り変わっている。日本でも2000年代に入ると、やはり、首位の座はそう長続きしなくなった。 また日米ともに上位3位の女の子の名前は一時期を過ぎると過去のものが再登場することはない。 このように日本と米国で女の子の命名は、名前の意味も由来も全く異なるものの、どんな名前をつけるのかの流行については非常に似たところがある点が興味深い。 なお、100年を通した米国女子のトップ10の人気ネームをまとめると、1923〜2022年の計と2022年について以下のようになっている。
かつては聖母マリアを起源とするメアリーが圧倒的だったが、今ではオリヴィアなどアで終わる現代風の名前に変貌。日本と同様、最近の名前は旧来からの名前とまったく異なってきていることが分かる。Olivia(オリビア)はolive(オリーブ)が語源。シェークスピアの喜劇「十二夜」で伯爵令嬢として登場する。Sophia(ソフィア)はもともとギリシャ語で「知恵」という意味。Isabella(イザベラ)は、Elizabeth(エリザベス)のスペイン語形Isabel(イザベル)から派生した名前。 参考のため下に日本の女の子の名前の変遷表を図録2405から転載した。
(2023年7月22日収録、7月23日コラム)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|