NHKの放送文化研究所では2007年に全国300地点、16歳以上の国民3,600人を対象に今の日本人が好きだと感じているものの調査を行っている(有効回答率66.5%)。

 日本人の好きな季節と月は図録4355で見た。ここでは、日本人の好きな曜日と時間を図録化した。

 曜日としては「土曜」が好きな人が50%を超え、最も多い。次ぎに好きなのは「日曜」である。土曜より日曜の方が好きな人が少ないのは、休日の終わりを実感するいわゆる「サザエさん症候群」が若干影響している可能性がある。

 3番目には「金曜」であり、月曜から木曜をかなり上回っている。

 1983年の前回調査と比較すると(下表も参照)、上位3つの順位は変わらないが土曜が60%から53%へ、日曜が53%から45%へと減少しているのに対して、金曜は19%から25%への増加となっている。週休2日制の定着とともに「花金」人気が高まったためと考えられる。

 1983年からの変化でもうひとつ目立っているのは、金曜にシフトした以上に、土日が好きな人が少なくなったことである。この間、高齢化や雇用形態の多様化が進み、週間サイクルにシンクロせず、「毎日が日曜日」(城山三郎1976年刊の小説題名)状態にある人も増えたのではないかと思われる。

 最も人気のない曜日は「火曜」であったが、月曜から木曜でも5〜8%ぐらいの人が好きだと言っているのが興味深い。

日本人の好きな曜日
          単位:%、%ポイント
  2007年 1983年 変化
月曜 7.4 11.5 -4.1
火曜 4.8 6.9 -2.1
水曜 7.5 11.6 -4.1
木曜 6.2 7.5 -1.3
金曜 24.9 19.2 5.7
土曜 52.9 60.3 -7.4
日曜 45.4 52.7 -7.3
特になし・無回答 22.3 11.3 11.0
(資料)NHK放送文化研究所世論調査部「日本人の好きなもの」1984年2008年

 つぎに、1日の時間帯では、普通は寝ている深夜を好きという人は少ないが、昼より夜が好きとされている。夜6時から12時は大体同じように好まれているようだ。要するに自由時間が好きなのである。

 それでも昼の活動時間も9時から昼の3時頃までは20%弱の人が好きだと言っている。昼の3時から夕方6時までは人気がない。

 年齢別の数字は公表されていないが、男女ともに若年層は21〜24時や0〜3時の深夜帯を好む割合が平均より高く、高年層は6〜9時の朝時間を好む割合が平均より高いと報告されている。

 なお、好きな時間の方は1983年には調査されていなかったので比較が出来ない。

 以上、当たり前のような結果であるが、数字であらわされるとそれなりに興味深いものである。

(2010年5月24日収録)


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