首都圏、中京圏、近畿圏にいずれにおいても通勤より通学の所要時間の方が長い点にまず気づく。 通勤時間は首都圏の所要時間が中京圏、近畿圏より長いが、通学時間は3大都市圏でほぼ同等。現時点では首都圏が最も長いという状況である。通勤所要時間と通学所要時間は首都圏で差が小さく、中京圏、近畿圏で差が大きい。 1985年以降の変化を見ると、バブル経済期における郊外住宅地への人口移動、大学等の郊外移転を反映して、90年から95年にかけて通勤と通学、特に通学の所要時間が急増したのが目立っている。その後、通勤・通学時間は再度短縮傾向となっている。 特に首都圏では大学の高層化、都心回帰が進み通学時間は2005年にかけて大きく低下した。首都圏の通勤時間に関しては人口の都心回帰(図録7680)の影響もあり、ほぼ横ばいとなった。ところが、2010年には、再度、首都圏の通勤・通学は長くなり、通学時間は1995年と肩を並べ、通勤時間は過去最長となっている。首都圏では、人口の都心回帰による職住近接の効果を上回って、通勤通学時間は長くても通勤通学先を自由に選ぶ行動パターンが広がっていると考えざるを得ない。 一方、中京圏、近畿圏については、バブル経済崩壊以降に通勤通学時間は、一般的に、横ばいあるいは下落傾向にある。 首都圏における大学の都心回帰
(2009年8月31日収録、2015年9月24日更新、11月10日大学都心回帰の表追加)
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