
イプソス社は新しい潮流として「ヌーヴォー・ニヒリズム」を取り上げている。これは、
「今を生きる」精神については、次のようにコメントされている。「国民が未来より今日を優先する中、政策立案者や企業は短期的および長期的な将来への影響について自問する必要があります。未来のためにどれだけが今日使われており、消費者が十分な資源を持たずに明日の世界に到達した場合、そしてそうなった時に何が起こるのでしょうか?」 図に掲げたのは、「今を生きる」の回答率の各国ランキングである。この指標は、場合によっては、快楽主義、あるいは刹那主義の指標としても使いえるだろうが、ここでは断定を避け、「今を生きる」主義と名づけておこう。 国の並びを見ると「今を生きる」主義が多いのは途上国が多く、先進国は相対的に少ないという傾向が認められる。 最も「今を生きる」主義が多いのは、アジアのタイ、香港、中国であり、80%を越えている、同じアジアでも、日本や韓国は50%台とずっと低くなっている。 欧米諸国では、スペインやフランスで「今を生きる」主義の人が多く、他方、オランダ、スウェーデンは日本や韓国以上にそうした人が少なくなっている。 「今を生きる」がもっとも少ないのが、言い換えれば「明日を生きる」のがもっとも多いのがイスラエルだというのは、ガザへの侵攻は明日のためでなければとてもできないと考えると妙に納得的である。 「今を生きる」主義とブランド志向の相関については図録2272コラム「今だけが大切という考えのもとで個人的なブランド志向も栄える」を参照されたい。 図の対象国は、並び順に、タイ、香港、中国、アラブ首長国連合、スペイン、フランス、ルーマニア、ポルトガル、サウジアラビア、メキシコ、コロンビア、アイルランド、デンマーク、ブラジル、ベルギー、チリ、ベトナム、スイス、マレーシア、アルゼンチン、ペルー、カナダ、米国、世界平均、シンガポール、オーストラリア、イタリア、ドイツ、南アフリカ、英国、インドネシア、ニュージーランド、ブルガリア、日本、韓国、トルコ、ポーランド、オランダ、スウェーデン、イスラエルである。 (2025年12月11日収録)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|
||||||||||||||||||