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 日本人の平均寿命は世界一の水準にまで伸びているが、近年は、単に寿命を延ばすだけでなく、寝たきり等の不健康な時期を減らし、健康寿命を長くすることが国民的な課題となっている。そのための、大きな取り組みとして、運動習慣を若いうちから身につけることが重要とされている。

 運動習慣についての状況がどうなっているかを判断するため、厚生労働省の毎年の調査結果から、年齢別に、運動習慣(30分以上の運動を週2回以上1年以上継続)をもつ者の比率を掲げた。

 年齢別に二極化の傾向がはっきり見て取れる。

 すなわち、もともと運動習慣を有する者の割合が高い60代や70歳以上、特に70歳以上ではその割合が上昇しているのに対して、50代以下の年齢層では、むしろ、運動習慣が後退気味なのである。

 近年は60代も50代の動きに近づいている。これは65歳ぐらいまで働く人が増えたためであろう(図録1400参照)。やはり、仕事をしていると運動習慣を維持するのは難しいことがうかがわれる。

 高齢者は、健康志向が高まると同時に、運動をする生活上の余裕も生まれているのに対して、若年層、中年層では、ますます、仕事や家事などの生活に追われるようになり、運動をする習慣が維持しにくいというのが実態なのではないだろうか。

 年齢別の体力向上のデータでこうした傾向が裏づけられる点については図録2168参照。

 選択表示で男女別の推移を見ると、全体的に、男性の方が女性より運動習慣ありの比率が高いことが分かる。特に、60代以上の年齢層で男性の上昇が女性と比べて目立っている。50代に関しては、例外的に、男女に差がないかたちになっている。

 大きな傾向としては、男性の場合は、50代までの年齢層で20%台から一部10%台へと低下する一方で、60代は20%台から40%前後に上昇、70歳以降は30%台から50%前後へと上昇する傾向が認められる。

 女性の場合は、40代までの年齢層で10%台後半から10%台前半へ低下、50代は20%台の前半からいったん30%前後へと上昇した後再度20%台前半へと低下、60代以上は20%台から30%台へと上昇(ただし60代はいったん上昇した後低下)する傾向にある。

(2017年9月11日収録、2018年3月2日更新、12月12日更新、12月13日男女別追加、2020年7月23日更新、12月30日更新)


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