主要OECD諸国のたばこ喫煙人口比率の推移を図示した。

 対象国は、フランス、イタリア、ドイツ、日本、韓国、英国、デンマーク、オランダ、米国、スウェーデンである。

 全体傾向としては、明らかに、各国でたばこ喫煙人口の比率は低下してきている。以前は国ごとにかなり大きな差があったのであるが今では、10%前後の米国、スウェーデンと20%台半ばのフランス、20%近くのイタリアを除くとほぼ各国10%台半ばの水準に収斂してきている。

 全体的に喫煙率が低下する中でフランス人の喫煙率はほぼ横ばいであり、その結果、かっては主要国の中でもっとも低い喫煙率だったのが今ではもっとも高くなっている。フランス人だけがかたくなに喫煙に関する生活習慣を変えない点が目立っている。

 たばこをやめて肥満になった米国がよいか、たばこをやめずにスリムを維持しているフランスがよいのかはにわかに断じにくい(BMIの推移の各国比較は図録2200c)。

 たばこ価格との相関図を描いてみると、相関度はそれほど高くないがマイナスの相関が見られる(参考図参照)。2003年当時と比較すると価格は上昇し、喫煙率は低下する傾向にあることが理解される。日本や韓国はフランス、ドイツ、イタリアといった西欧主要国より高い喫煙率だったのが、今は、逆転している。

 なお、スウェーデンは税率を上げすぎて、喫煙人口が減り、税収が減ったため、再度税率を下げて、喫煙人口が増加していると聞いたことがあるが、ここでのデータではなお未確認である(図録4740参照)。

 同じデータの男女別の喫煙率については図録2214参照。

(2005年12月16日収録、2008年10月25日更新、2011年10月14日更新、2013年5月31日更新、2015年6月15日更新、2019年7月21日更新、2024年3月3日更新)


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