喫煙率は国によって大きく異なる。男性の喫煙率は最低のアイスランド11.9%から最高のラトビアの47.1%、女性の場合は最低のコロンビア4.5%からクロアチア36.1%まで大きな幅がある。 2022年の更新は、クロアチアがワールドカップ・カタール大会で日本と競り合ったことから、どんな国民性なのだろうかと、同国のテレビドラマ「ザ・ニュースペーパー」(2016年開始)をネットフリックスで視聴しはじめたからである。このドラマの中では、ジャーナリストが自分をクルマで連れて行く相手に、そうした下働きを指示した「ヨリッチに何の恩が?」ときくと、「話せば長くなる」「戦争がらみか?」「ここでは全てが戦争がらみだ」というような会話が妙にリアリティをもっているのであるが、その他、登場する女性たちがほぼ全員たばこをふかしているのが印象的だった。そこで、クロアチアの男女別の喫煙率を調べたくなったのが経緯である。 調べてみると確かにクロアチア女性の喫煙率はギリシャ、フランスを上回る世界一なのであった(注)。男女差でも下に見るようにアイスランド、デンマークと並んで差が小さい国でもある。 (注)この図の順位でなくWHOの全世界データの中ではナウル、セルビア、ブルガリアに次ぐ世界第4位。 日本は男性の喫煙率は低下し、女性の喫煙率は年齢毎に見ると若い女性を中心に高まる傾向にあった(図録2210参照)が、国際比較上は、男性の場合30.1%と第14位の高さであるに対して、女性は10.0%と韓国などとともに低い値となっている。 国々の男女別喫煙率を鳥瞰すると、男性の喫煙率の高い国ほど、男女の喫煙率格差が大きいという傾向がみとめられる。男女差は日本や韓国のほか、メキシコ、コロンビア、コスタリカといった中南米諸国で目立っている。 喫煙率の低い国は北欧諸国のほかは、ニュージーランド、カナダ、といったアングルサクソン諸国が目立っている。 男女の違いでは、アイスランドでは男女が逆転となっている。男性の喫煙率の対女性倍率の高い国、低い国は以下の通りである。
喫煙率の高い国としては途上国的性格を残す国や旧共産圏、および日本、韓国といった東アジア諸国が目立っているが、いずれも男女差が大きく、特に、儒教の影響もあるのであろうが、韓国と日本の男女差は大きい。主要先進国の中ではフランスの喫煙率は男女とも比較的高い。 図録2210に示した日本の動向の延長で将来を予想するとすれば、日韓も、スウェーデンなどのように全体として低く、また男女差の小さいという構造へ近づいていくと思われる。 対象国39か国は、男性の喫煙率の低い順に、アイスランド、コロンビア、コスタリカ、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、スウェーデン、ノルウェー、英国、デンマーク、メキシコ、フィンランド、米国、ルクセンブルク、アイルランド、ドイツ、ベルギー、オランダ、スロベニア、イタリア、オーストリア、ポーランド、スイス、スペイン、イスラエル、日本、ポルトガル、チリ、エストニア、フランス、チェコ、韓国、ハンガリー、ギリシャ、リトアニア、スロバキア、クロアチア、トルコ、ラトビアである。 (2007年9月10日収録、2011年10月14日更新、2013年5月31日更新、2015年6月15日ヤフートピックス引用を期に更新、2019年7月21日更新、2022年12月17日・18日更新)
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