ここでは厚生労働省の調査から年齢別に「20本以上の歯を有する者」の割合の推移をグラフにした。20本は入れ歯なしでほとんどの物を食べられる目安だという。 確かにキャンペーンがはじまった年以降、特に1993〜1999年には60歳代を中心に20本以上の歯を有する者の割合は急速に上昇している様子がうかがえる。60歳前半で40.9%が64.9%へと大きく上昇している。これがさらに時間とともに60歳代だった者が70歳代に達し、全体的な底上げが生じ、ついに2005年には80歳前半で2割を越えている。 その後、2016年にかけて、なお、高齢者の歯の状況は改善が進んでいる。特に、70代後半では2005年の27.1%から2016年に56.1%へと大きく前進した。「8020達成者の割合(80歳で20本以上の歯を有する者の割合)は、75歳以上84歳未満の8020達成者の割合から、51.2%と推計される」(厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査結果の概要」)。すなわち8020達成者の割合は、ついに、過半数を越えたのである。 改善の理由として、高齢者をはじめとして、一般に、口腔ケアの大切さの意識が高まっているほか、厚生労働省の担当者は「歯を強くする成分を配合した歯磨き粉が増えた」点も指摘しているという(毎日新聞2017年6月5日夕刊)。 なお、歯科疾患実態調査は、これまで6年おきに行われてきたが、2016年には5年おきとなった。 図のデータから、各年齢層の2016年の値は、10歳若い年齢層の何年ぐらいの水準であるかを調べてみよう(下表参照)。
残っている歯の数の水準から見ると、前期高齢者は17年かかって10歳若返り、後期高齢者は11年で10歳若返ったことになる。 歩行速度から見た高齢者の若返りについては図録2169参照。 (2008年3月13日収録、2012年6月9日更新、2017年6月5日更新、2018年2月17日若返り表)
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