がん(ガン、癌)の5年生存率は、早期発見・早期治療のレベルや治療・手術の技術水準を示す指標として重視されている。ここでは、この指標の国際比較データ(OECD web)をグラフ化した。相対生存率概念については図録2160参照。なお、国ごとの高齢化による影響を除去するため、国際比較は年齢調整後の値によっている。

 乳がんでは、米国、子宮頚がんでは、ノルウェー、大腸がんでは日本が世界一の生存率となっており、医療の技術水準の高さや検診の普及率の高さを示しているといえよう。日本は、乳がんでも第2位、子宮頚がんでも第4位となっており、世界的なレベルの高さを示している。

 チェコ、ラトビアなど東欧では、比較的、水準が低い傾向にある。

 西欧の中では英国の水準が平均以下、特に大腸がんは下から3番目というレベルにあることが英国の医療システムの課題とされよう(図録1900参照)。

 以下に「日本のがん5年相対生存率の把握例」を掲げたが、使用する5年生存率のデータによっては、ばらつきがあることが理解される。

日本のがん5年相対生存率の把握例(%)
 
がん
結腸
がん
直腸
がん
診断年
全がん協 90.0 73.0 73.9 2001-2003年症例
地域がん登録(6登録) 85.5 68.9 65.2 1997〜99年診断例
大阪府 90.8 69.8 68.0 2005年診断例
(注)全がん協:全国がん(成人病)センター協議会(国公立病院またはこれに準じる全国30ヶ所の医療施設(平成15年10月30日現在))
 地域がん登録:6府県(宮城、山形、新潟、福井、大阪、長崎)の実績
 大阪府:大阪府下医療機関の地域がん登録事業による結果
(資料)全がん協財団法人がん研究振興財団「がんの統計」大阪府健康福祉部・大阪府医師会・大阪府成人病センター『大阪府におけるがん登録』

(2010年1月4日収録、2013年11月18日・19日更新、2018年3月5日図録2166の旧図録として保存、2022年5月28日同大腸がん掲載漏れ解消)


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