介護労働者には女性や移民・外国人が多いのが世界的傾向となっている。この点について各国比較したデータを掲げた。

 まず、女性比率については、OECD平均で87.4%と非常に高くなっている。看護職や保育士などと並んで介護職は女性の職業だとする気風が世界的に成立していると考えられよう。

 国別にみると、韓国が95.2%と最も高く、韓国に次いで、チェコ、オランダ、フランスといった諸国の女性比率が高くなっている。

 逆に最も女性比率が低いのは日本の77.9%である。下から2番目なのはスウェーデンの81.3%であるが、日本はスウェーデンと比較してもずっと女性比率が低くなっている。つまり男性の介護労働者が相対的に多いのである。

 日本は女性教師比率も他国よりは低い傾向にあり(図録3852、図録3853)、世界的に女性職業と考えられている職業でけっこう男性が多いというのが日本社会の特性とも言えよう。

 次に移民比率であるが、特に介護職で移民が多いのか、それとも職業全般で移民が多いのかを判断するため、全労働者の移民比率も同時に図に掲げてある。

 OECD平均の値を見ると全労働者の移民比率が19.8%であるのに対して、介護労働者の移民比率は26.4%と1.33倍となっており、介護職には相対的に移民が多いと言える。

 介護労働者の移民比率が最も高いのはイスラエルの71.2%であり、ルクセンブルクの42.5%、スイスの38.9%、スウェーデンの37.2%がこれに次いでいる。

 トップのイスラエルの場合は、全労働者の22.5%と比べて3.2倍と特に介護職で移民が多くなっている。スイス、スウェーデンもイスラエルほどではないが、全労働者より介護労働者の方が移民比率が高くなっている。

 ところが、ルクセンブルクの場合は全労働者の移民比率が51.5%と半数を越えているのに介護労働者の場合は半数を切っており、介護職だからと言って移民が多いわけではない。同様の特徴が認められる国としては、ルクセンブルクのほか、オーストラリア、アイルランドがある。

 日本には移民統計は存在しないので移民比率は分からないので、図にも登場していない。日本の場合は、移民比率は不明であるが、外国人(外国籍の住民)に関しては国勢調査等で調べられている。2020年の国勢調査によると医療福祉分野の雇用者数に占める外国人の割合は0.6%と全分野の2.0%と比べても非常に低くなっている(図録5244参照)。

 少なくとも現在のところ、日本では、介護職を特に女性や移民に分担してもらっている程度は世界の中でも低いと言わざるを得ない。

 女性比率図で対象としているのはOECD25カ国、具体的には、介護労働者の多い順に韓国、チェコ、オランダ、フランス、ニュージーランド、カナダ、ベルギー、スロバキア、ノルウェー、トルコ、フィンランド、米国、オーストラリア、オーストリア、デンマーク、イスラエル、スロベニア、アイルランド、英国、スイス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、日本である。

(2023年12月2日収録)


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