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医薬品費の対GDP比は、最も高いギリシャの2.8%から最も低いデンマークの0.5%まで各国によりかなりの幅がある。 医療費の対GDP比では2位以下を大きく引き離して1位の米国であるが、医薬品費では、5位と医療費全体ほど目立っていない。 逆に、日本は医療費では8位と高齢化トップの割には低いが、医薬品費では3位と相対的に高くなっている。そこで、このデータは、日本においては医療費の中でも医薬品費をもう少し削減できるのではないかという主張の根拠にもなりうるものである。 中でも医薬品費の公的支出(税や健康保険を通じた支出)はGDPの1.5%とギリシャの1.9%を除くとOECDの中で最も高くなっている点が目立っている。医薬品費に占める公的支出の割合でも日本は72%とルクセンブルク、オランダ、アイルランド、ドイツに次ぐ5位となっている。 このデータを紹介しているOECDの報告書によれば、公的支出から私的支出への振り替えなどの手段により、OECD諸国の多くが財政負担の軽減のため公的支出を少しでも減らそうと努めているようである。 購買力平価で比較した1人当たりの医薬品費(表示選択)では、日本は、米国、スイスに次いで世界第3位の多さとなっている。第4位はドイツである。日本はやや例外だが、米国のファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、スイスのノバルティス、ロシュ、ドイツのバイエルなど世界有数の製薬企業が存在する国で医薬品使用が多いことがうかがわれる。 国民の服薬の状況については図録1980参照。診療報酬改定の際の薬価の変更等については図録1933参照。ジェネリック医薬品(後発薬)割合の国際比較については図録1907参照。 図の対象国数は29カ国であり、具体的には、値の多いな順に、ギリシャ、ハンガリー、日本、スロバキア、米国、スロベニア、カナダ、イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、ベルギー、アイルランド、ポルトガル、ポーランド、オーストラリア、チェコ、韓国、オーストリア、スイス、フィンランド、エストニア、スウェーデン、イスラエル、アイスランド、オランダ、ノルウェー、ルクセンブルク、デンマークである。 (2015年12月3日収録、2020年10月21日1人当たり)
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