内閣府では各国の60歳以上の高齢者を対象に「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」を1980年から5年ごとに行っている。最近の結果から高齢者の職歴の国際比較を掲げた。

 最も長く従事した仕事について、日本では自営農林漁業は既に7.5%と1割以下にまで減少している(1985年には21.6%であった)。最も多いのはホワイトカラー(常雇)であり、次ぎに多いのはブルーカラー(常雇)である。女性を中心とした常雇パートも10.9%と農林漁業を越えている。

 米国、ドイツ、フランスといった欧米先進国は産業社会としての歴史が長い分、日本よりホワイトカラー上がりの高齢者が4〜5割とずっと多く、ブルーカラー(常雇)の比率も日本より多いのが目立っている。

 韓国は、日本より遅れて急速に産業社会化した分だけ、なお農林漁業者上がりの高齢者が37%と多いのが特徴である。自営業や臨時・日雇・パートも他国より多く、人々が企業社会に組み込まれたのは実に最近であることがうかがわれる。

 スウェーデンの自営業比率は6.4%と最小である。「大企業の育成優先」政策をとってきた国柄があらわれているといえよう(図録3080参照)。

 この図録は、右の関連図録に掲げた同じ調査の結果の解釈に役立つデータである。

(2009年8月7日収録、2011年6月13日更新)


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分野 人口・高齢化
テーマ 高齢者と家族
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