気象庁の「
2023年(令和5年)の世界の主な異常気象・気象災害(速報)」から世界と日本の異常気象についてまとめた世界マップを掲げた。
本年は、日本でも世界でも記録的な暑さに見舞われた。世界と日本の平均気温が過去最高だった点については図録
4333参照。
世界各地で異常高温が発生し、中国、ベトナム、ブラジルの国内の最高気温の記録更新の他、各国の月平均気温や季節平均気温の記録更新が伝えられた。
世界各地で気象災害が発生し、特にリビアの低気圧による大雨(G、9 月)、ソマリア〜カメルーンの大雨(H、3〜5、10〜11月)、マダガスカル〜マラウィのサイクロン(I、2〜3月)など、アフリカを中心に、多数の死者を伴う被害が報じ
られた。
@の「東アジア東部及びその周辺」の高温(3、6〜10月)の内容については以下の通り。@以外については
元資料pdfを参照されたい。
- 大阪府の大阪:3月の月平均気温13.0℃(平年差+3.1℃)。
- 東京都の東京 : 6〜8月の3か月平均気温27.0℃ (平年差 +2.2℃)
- 中国のペキン(北京):6〜8月の3か月平均気温28.2℃(平年差 +2.0℃)。
- 宮城県の仙台:9月の月平均気温25.1℃(平年差+3.9℃)。
- 中国のリャオニン(遼寧)省ターリエン(大連):10月の月平均気 温17.1℃(平年差+2.8℃)。
- 日本では、7〜9月に熱中症により104人が死亡した(消防庁)。
- 日本の3、7、8、9月の月平均気温は、それぞれの月としては1898年以降で最も高かった(気象庁)。
- 韓国の3、9月の月平均気温は、それぞれの月としては1973年 以降で最も高かった(韓国気象局)。
- 中国の9、10月の月平均気温は、それぞれの月としては1961年 以降で最も高かった(中国気象局)。
- 日本の春(3〜5月)、夏(6〜8月)、秋(9〜11月)の3か月平均気温は、それぞれの季節としては1898年以降で最も高かった
(気象庁)。
目立った最高気温の更新は以下の通り。
- ベトナム北部のゲアン(Nghean)では、5月7日に44.2℃の日最高気温を観測し、ベトナムの国内最高記録を更新した(ベトナム気象局)。
- 中国の新疆ウイグル自治区トルファンでは、7月16日に52.2℃の日最高気温を観測し、中国の国内最高記録を更新した(中国気象局)。
- ブラジル南東部のアラスアイでは、11月19日に44.8℃の日最高気温を観測し、ブラジルの国内最高記録を更新した(ブラジル国立気象研究所)。
目立った気象災害には以下がある。
- アフガニスタン〜インドでは、6〜8月の大雨により1,010人以上が死亡したと伝えられた(EM-DAT)。
- リビアでは、9月の低気圧「Daniel」による大雨の影響で12,350人以上が死亡したと伝えられた(EM-DAT)。
- ソマリア〜カメルーンでは、3〜5、10〜11月の大雨により3,710人以上が死亡したと伝えられた(EM-DAT)。
- マダガスカル〜マラウィでは、2〜3月のサイクロン「FREDDY」により860人以上が死亡したと伝えられた(EM-DAT)。
- カナダでは、2023年に発生した森林火災により約18.5万平方キロメートルが焼失し、1983年以降で最大の焼失面積になったと伝えられた(カナダ省庁間森林火災センター)。
- 米国ハワイ州では、8月の森林火災により120人以上が死亡したと伝えられた(EM-DAT)。