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外務省の海外在留邦人数調査統計から図録1175では海外在留邦人数の推移についてふれたが、ここでは、海外在留邦人の国別、都市別の上位50位の人数を掲げた。在留邦人統計の特徴については同図録参照。 在留邦人の多い国トップ3は米国、中国、オーストラリア、海外都市トップ3はロサンゼルス、バンコク、ニューヨークである(「〇〇都市圏」の「都市圏」は略)。 各国の中で最も在留邦人が多い首位都市は、英国のロンドン、タイのバンコクなど首都である場合もあれば、米国のロサンゼルス、中国の上海など首都以外の経済的なつながりの強い都市である場合もある。 首位都市のシェアを見た以下の表の通り、米国やドイツのように首位都市のシェアが低く、在留邦人が国内各地域に分散している国もあれば、タイ、英国、マレーシア、台湾、ベトナムのように、首位都市に4割以上集中している場合もある(特にタイはバンコクに7割以上が集中)。
過去5年間の国別の在留邦人の増減数と増減率を表示選択で見ると、増減数では、米国、オーストリア、カナダなど英語圏諸国の在留邦人が増えているのが目立っている。 一方、減少しているのはブラジル、英国、中国である。英国は英語圏諸国の中で例外的に減少しているが、英国のEU離脱により、企業活動の拠点を英国から移す日本の海外進出企業が多いためだと思われる。 中国がマイナスであるのは、アジアにおける中国の相対賃金が上昇していることなどから(図録j022参照)、生産拠点を中国からベトナムほかのアジア諸国に移す海外進出企業が多いためと考えれる。 増減率で見ると、海外在留日本人が最も増えているのはベトナムであり、オランダ、台湾がこれに次いでいることが分かる。 次に、主要10都市の在留邦人数の推移を掲げた。欧米都市が横ばい傾向であるのと比較して、バンコク、シンガポールといったアジア都市の増加が目立っている。ただし、2010年から5万人を超えた上海は、2013年には再度5万人を下回った。「日本の上海総領事館によると、上海市の在留邦人数は4万7700人(昨年10月1日時点)と、前年の5万7400人から9700人も減り、5万人を割り込んだ。1994年に統計を取り始めて以来、増加が続いてきた上海の在留邦人が減少したのは初めてという」。これは、「近年の日中関係の悪化や、微小粒子状物質「PM2.5」による大気汚染、鳥インフルエンザの流行などの影響で、日系企業が駐在員や家族を帰国させるケースが増えている」ためである(産経新聞2014年5月25日)。その後も上海は下落傾向にある。
また、英国のEU離脱にともなって、ロンドンの下落が目立っている。 取り上げた上位50カ国は、米国、中国、オーストラリア、タイ、カナダ、英国、ブラジル、ドイツ、フランス、韓国、シンガポール、マレーシア、台湾、ベトナム、ニュージーランド、インドネシア、フィリピン、イタリア、メキシコ、アルゼンチン、スイス、オランダ、インド、スペイン、ベルギー、パラグアイ、スウェーデン、アラブ首長国連邦、カンボジア、グアム、ペルー、オーストリア、ボリビア、ミャンマー、ロシア、アイルランド、チェコ、フィンランド、トルコ、ポーランド、チリ、ハンガリー、デンマーク、南アフリカ、コロンビア、ネパール、ノルウェー、イスラエル、サウジアラビア、パキスタン、上位50都市(圏)は、ロサンゼルス都市圏、バンコク、ニューヨーク都市圏、上海(中国)、シンガポール、シドニー都市圏、大ロンドン市、バンクーバー都市圏、香港(中国) 、サンフランシスコ都市圏、メルボルン都市圏、ホノルル、パリ、サンノゼ都市圏、トロント、クアラルンプール、シアトル都市圏、ブリスベン都市圏、シカゴ都市圏、ソウル特別市、台北(台湾) 、ホーチミン、サンパウロ、ゴールドコースト、オークランド都市圏、サンディエゴ、デュッセルドルフ、南ジャカルタ、マニラ都市圏、北京(中国)、ハノイ、パース、アトランタ都市圏、広州(中国)、ポートランド都市圏、シーラーチャー、蘇州(中国)、ミュンヘン、大連(中国)、ブエノスアイレス、深?(中国)、ヒューストン都市圏、ノバイ(米国)、ベルリン、ケアンズ、カルガリー、メキシコ連邦区(メキシコ市)、ブリュッセル都市圏、ミラノ都市圏、ダラス都市圏である。 (2008年9月4日収録、2011年7月20日更新、2013年1月20日更新、2014年5月26日主要10都市の推移図を追加、2020年7月23日更新、増減ランキング)
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