米国国防総省の報告書(2004 STATISTICAL COMPENDIUM on Allied Contributions to the Common Defense)によれば、米軍駐留経費の受け入れ国負担は図の通りである。

 日本は1990年代後半から2002年にかけて日本国内の米軍駐留経費の75〜79%を負担してきている(東京新聞2010.6.13)。米国はこうしたホスト国の負担割合を「米国コストの相殺比率」(U.S. Cost Offset Percentages)と呼んでいる。

 各国の中で負担総額が大きいのは日本の44億ドルに続いて、ドイツ16億ドル、韓国8億ドル、イタリア4億ドルとなっている。

 日本の負担総額が大きいのは、駐留軍事要員人数がドイツに続いて多いためと負担が直接負担にも多く及んでいるためである。日本は1978年以降、本来は負担義務のない施設整備費や労務費、光熱費などを「思いやり予算」として計上しているのである。なお、米軍再編に当たっても多額の移転経費を負担することとなっている。

 米軍の駐留経費の負担割合が高い点で日本が目立っているが、この他、サウジアラビア、クウェート、カタールといった中東諸国でも負担割合が高くなっており、米軍による警察抑止力的な側面への高い依存度をうかがわせている。

 なお、対象の国数は12カ国、具体的には、米軍駐留経費の負担総額の多い順に、日本、ドイツ、韓国、イタリア、クウェート、英国、アラブ首長国連邦、スペイン、トルコ、カタール、バーレーン、サウジアラビアである。

 図録9350に米軍の世界展開を図示。

(2010年7月9日収録)


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