ここでは、東京新聞の整理に基づき(原資料は米国国防総省資料)、現状の米軍兵力の世界配置を図示した。また、2021年のアフガン撤退の時点までの戦後の海外派兵の推移を示したエコノミスト誌のグラフも掲げた。 2005年9月末現在で約139万人の米軍兵力のうち、約29万人(作戦展開中のイラク、アフガニスタンを除く)が外国に駐留しているが、冷戦時代の兵力配置を見直し、軍事技術の向上に対応するとともに新たな脅威であるテロなどに迅速に対応できる体制に再編成する動きが進んでいる。ブッシュ大統領は2004年8月には、今後十年でアジアを欧州に展開する米軍約20万人のうち約3分の1にあたる6〜7万人を家族ら10万人とともに帰国させる計画を公表している。具体的には、ソ連の脅威に対峙していたドイツや北朝鮮に対峙している韓国を中心とする兵力を削減、代わって現地の国々に積極的な安全保障上の役割を求めていこうとしている(GDPR:世界規模の配置見直し)。 日本に展開する米軍基地や部隊の見直す在日米軍再編協議が3月末にまとめられる予定なのも、こうした世界的再編の一環である。 世界的な配置見直しの主な項目は以下の通りである。
米軍の駐留人数は情勢の変化で移り変わっている。以下には、イランと米国の衝突が懸念されていた2020年1月の段階のイラン・中東付近の状況を示した。 米軍の展開地域は、米国本土と洋上を除くと、以下の国、地域である。アラスカ、カナダ、メキシコ、キューバ(グァンタナモ)、プエルトリコ、バハマ、エルサルバドル、ホンジュラス、ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、チリ、アイスランド、グリーンランド、ノルウェイ、英国、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ルーマニア、ギリシャ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア・モンテネグロ、マケドニア、キプロス、トルコ、グルジア、ロシア、ニジェール、セネガル、南アフリカ、エジプト、イスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、カタール、オマーン、イラク(作戦展開)、バーレーン、アラブ首長国連合、アフガニスタン(作戦展開)、パキスタン、ジブチ、ケニア、ハワイ、グアム島、日本、韓国、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インドネシア、インド、オーストラリア、ディエゴ・ガルシア。 (2006年3月6日収録、2020年1月9日イラン・中東周辺図、2021年11月3日アフガン撤退時点までの推移図)
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